日本でもまもなく公開されるミュージカル映画『キャッツ』は日本よりも早く公開された英米において現地の批評家たちによるセンセーショナルな「酷評」がSNSで拡散され、ネガティブな意味でも大変な話題となりました。
酷評の内容についてはご丁寧に日本語翻訳もされましたからご存知の方も多いと思います。調べればすぐにたくさんでてきますしここでは詳細には紹介しません。不気味とか毛玉とかホラーとか玉ねぎとかさ。
実際に見てみなければわからない映画キャッツ
結論を先に言いますと「いくら批評家が酷評したところでそんなの実際に見てみなければどう思うのかはわからない」ということです。ですのであの酷評はそれほど気にする必要はないと思います。
キャッツはもともとT・S・エリオットの詩集にアンドリュー・ロイド=ウェバーが音楽を付けてミュージカル化したもの。映画キャッツのストーリー性に疑問を呈した批評家の意見を見ましたが、キャッツにはストーリーなんてそもそもあってないようなものです。(詩集をつなぎ合わせているので)
ミュージカルの舞台を実際に見ればわかるのですがキャッツはストーリーを追うというよりも、まずはキャッツの世界を楽しむことに重点が置かれます。大人数による圧巻のダンス。まるで本物の猫のようにしなやかに動く俳優、いやそれは猫そのもの。個性的な猫が次々に登場し素晴らしい歌唱を披露する猫もいる。そしてアンドリュー・ロイド=ウェバーの圧倒的な音楽に浸れる唯一無二の大型エンターテインメントです。
それは外から客観的に見るのではなく我々人間が猫の世界に入り込んで体感するもの。こちらは人間なのですから猫のことを理解できなくて当然ですし無理に理解しようとしなくても良いのです。キャッツの解釈や判断はそれを見た人間それぞれに自由に委ねられるものであります。
しかし今回の映画キャッツにはストーリー性を際立たせるためなのか、白い雌猫のヴィクトリアが言わば主人公となり一匹の猫(ヴィクトリア)の視点でストーリーが展開するとのこと。「とのこと」と書いたのはこの記事の執筆時点では日本では公開前ですので私はまだ映画キャッツを見ておりませんからこのような文章になることをご了承ください。
舞台版のキャッツには主人公という明確な位置づけをされた猫はいません。どの猫が主人公なのかは観劇した我々人間が自由に決めることです(もちろん決めなくても良い)。映画ではヴィクトリアが主人公だと決められていますからそこでひとつ自由な解釈や判断ができなくなります。
また舞台版にはない猫の台詞が日本版映画キャッツの予告編で確認ができます。例えばヴィクトリアが言う「(人間に)捨てられたの」やオールドデュトロノミーが言う「悪者は選ばれない」など一見ストーリーを進行するには欠かせない台詞のようにも思えますが、これらの台詞を入れることで見る人間の自由な解釈や判断という選択は奪われてしまったのではないでしょうか。
私は単純に「あ、あの猫はそんなことを喋るんだ」と思いました。
しかし今回は映画ですので観客には自由な解釈や判断を委ねるということをせずに「こうなんだ」と振り切り、ある程度の設定を明確にしたんだろうとも思います。
ㅤ +.゚*キャラクター紹介:゚+
ヴィクトリア#フランチェスカ・ヘイワード
日本語吹き替えキャスト:#葵わかな人間に捨てられた、
若く臆病な猫#映画キャッツ#ジェリクルキャッツ知ってるか pic.twitter.com/Ul3686pPIg
— 映画『キャッツ』公式 (@catsmovie_jp) January 8, 2020
映画キャッツを見た日本人のレビューでは意見が分かれている
映画の感想や評価をユーザーが書き込めるサイトFilmarks映画では、既に上映されている外国で映画キャッツを実際にご覧になった観客による日本語のレビューを読むことができます。それによると評価が分かれています。否の意見の方が多いですが、どうしても最初に出た批評家の酷評が気になってしまいそのフィルターがかかってしまっている感は否めません。
ただここでは具体的には言いませんが思わず目を背けたくなるようなリアルな描写が一部であるようですね。
Twitterでも映画キャッツをご覧になった方のレビューを確認しました。舞台版キャッツファンの方でも映画キャッツについては評価が割れており賛否両論ありました。
「評判がよくないから映画を見るのをやめておこう」という判断をされることについては否定も止めもしませんが、実際に見てみないことにはわからない部分が多いですし人それぞれ感じ方は違っていますから、あの酷評を受けて見るのをやめておくのは少しもったいない判断のような気もします。
(↓映画キャッツの内容について詳細に書かれているレビューもありますので一応ネタバレ注意です)
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キャッツ - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画
レビュー数:26307件 / 平均スコア:★★★3.0点
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歌と音楽はたまらなく素晴らしい
映画公開の前に発売された映画キャッツのハイライト盤サウンドトラックを聴きました。
もともとミュージカルとして大成功しているキャッツの音楽・歌が素晴らしいのは当たり前のことではありますが、それでもこの映画キャッツのサントラは出来がかなり良いです。
映画版のアレンジがたまらなく最高の仕上がりになっています。とても気に入って毎日のように繰り返し聴いています。新曲の「ビューティフルゴースト」も良いです。
アンドリュー・ロイド=ウェバーってやっぱり素晴らしい天才音楽家なんですよね。今回のサントラであらためてそう思いましたし、キャッツの音楽のパワーは相当に強いものであることを再確認しました。
あの人間っぽいリアルな猫がどうしても苦手だという方でも音楽だけは充分に楽しめるはずですし、映画館の大音響でキャッツを楽しみたいワクワクした気持ちになっています。
全世界累計観客動員数 8100万人
日本公演通算 1万回1981年のロンドン初演以来、
今なお世界中で愛され続けています#キャッツ部#キャッツ好きと繋がりたい pic.twitter.com/8yT7dGk7fN— 映画『キャッツ』公式 (@catsmovie_jp) January 12, 2020