映画キャッツ感想:ミュージカル版との違いやキャラクター・ストーリーを解説
かわいいぞ!気弱すぎるけど大活躍のミスター・ミストフェリーズ
舞台版では華麗なダンスを踊りながら自信たっぷりにビッグマジックを披露する「天才マジシャン」という設定のミストフェリーズですが、映画版では「気弱で優しいマジック猫」という設定になっています。もしかするとまだ見習いの段階といえるのかもしれません。
マキャヴィティに誘拐されたオールドデュトロノミーを取り戻すべく白羽の矢が立つのは、舞台版と同じくミスター・ミストフェリーズ(ローリー・デヴィッドソン)です。
ミスター・ミストフェリーズのマジックを使って敬愛する長老猫を取り戻そうという作戦です。
自信たっぷりの舞台版とは違い「いやいや僕なんか無理無理!」と逃げ出そうとする映画版ミスト。しかし猫たちが応援して応援して、少しずつ自信をつけながらオールドデュトロノミーを助けようとミストはマジックを試みます。
しかしマジックは何度も失敗してしまいます。その都度ミストは落ち込みますがさらに何度も仲間たちに励まされては挑戦を繰り返すのです。
ついにはオールドデュトロノミー(と誘拐されていた他の猫たちも)を助け出すことに成功したミスター・ミストフェリーズ。ミストも仲間たちも救出された猫たちも大喜びをし、皆が偉大なマジック猫ミスター・ミストフェリーズを讃えます。
舞台版のように華麗なダンスを披露しながら颯爽とマジックを披露するミストフェリーズではありませんでしたが、皆の応援の気持ちがどんどんと高まってゆく様子にグッときました。
気弱だけれどもやさしい面がある映画版ミストフェリーズ。ヴィクトリアのことを何度も助けて守ってくれますし、老いた劇場猫ガスには礼儀正しく接していました。
映画ミスト、かわいくてめちゃくちゃいいやつでした!きっとこの映画版ミストフェリーズを好きになる方は多いことと思います。
めちゃくちゃ踊るかっこいい鉄道猫!スキンブルシャンクス
舞台版のスキンブルシャンクスはかわいい鉄道オタクっぽい猫でしたが、映画版では兄貴よろしく逞しい髭を蓄えたまるで本物の鉄道職員のような本格派ないでたち。もはやプロです。
さらにスティーブン・マックレー演じるスキンブルシャンクスはめちゃくちゃ踊ります!まるで汽車の走行音のように力強く・そしてどんどんと早くなるタップはもう圧巻の一言でした!めちゃくちゃかっこよかったです。
客車の中でも踊りますし鉄道のレールの上でもガッツリ踊りますので、ダンスシーンをたっぷりと楽しめるナンバーとなっています。スキンブルナンバーは曲も楽しいので思わずウキウキとしてしまいます。
客車の中のねずみたちが「やば!スキンブルシャンクスきたわ」と言って逃げだしていったのがかわいらしかった。
舞台版キャッツの大きな魅力といえば圧倒的なダンスが次々と繰り広げられることがあげられると思いますが、映画キャッツではそのダンスシーンをしっかりと捉えるカメラワークではなく結構激しく場面が切り替わったりアップになって全体を捉えていないようなところがありそこが不満点としてありました。
しかしここの鉄道猫ナンバーはしっかりとダンスが楽しめる場面となっていましたので「これぞキャッツだ!」と堪能できるナンバーになっていたことが良かったと思います。
ちなみに舞台版のスキンブルシャンクスはここまで激しくは踊りません。舞台では華麗に踊るミストフェリーズが映画では踊らず、舞台ではそれほど踊らないスキンブルシャンクスが映画では激しく踊るようになっており、踊りの面だけで言えば役割が入れ替わっていました。