映画キャッツ感想:ミュージカル版との違いやキャラクター・ストーリーを解説
会員制高級クラブはゴミ捨て場?!バストファージョーンズ
バストファージョーンズは町一番のお金持ちでグルメな紳士猫です。
ジェームズ・コーデン演じるバストファージョーンズさんはもちろん超コミカルでとても楽しいシーンとなっていました。
「会員制高級クラブははしごできない」と嘆きつつも裏技的に実質はしごを繰り返すバストファージョーンズ。
実はロンドンのレストランのゴミ箱を次々とハシゴしていて、ゴミの中から取り出された廃棄されたごちそうをバクバク食べ続ける猫でした。
他の猫たちもご相伴に預かりますが一番食べるのはバストファージョーンズ。猫たちは美味しそうにごちそうを食べるバストファージョーンズにどんどんと食べ物や飲み物を運び続けて食べさせ続けていました。
途中タガーとグリザベラシーンを挟むものの、ジェニエニドッツが例の餌を食べるシーンからのゴミ箱のごちそうを食べまくるバストファージョーンズの「食べる」シーンが連続するので、正直不潔感は否めませんでした。私は「まだ食べるんだ」と思ってしまいました。
舞台版だとそこまで感じませんでしたが、まぁ映画なのでリアルに感じてしまいますね。キャッツを知らない方は序盤結構きついと感じる展開になるのかもしれません。
舞台版ではジェニエニドッツがバストファージョーンズを紹介するように歌いますが、映画版では主にバストファージョーンズ本人が歌っています。
バストファージョーンズの最後はあれだけ食べたのに「ここにご馳走がある」と騙されてマキャヴィティのし掛けた罠にかかり誘拐されてしまいます。食いしん坊さんであることは間違いないようです。
声が高い!ラム・タム・タガー
舞台版よりも相当高いキーで歌う映画版ラム・タム・タガー(ジェイソン・デルーロ)。
タガーがあまりに高音で歌うのでジェニエニドッツが「あんな高い声は去勢でもしてるんじゃないか」と陰口をたたくので思わず吹き出してしまいました。その真相はともかく素晴らしいハイトーンヴォイスです。
破天荒で天の邪鬼で自由奔放という性格は舞台も映画も同じ設定ですが、映画版では時折自分自身がコントロールできずに少し悩んでいるようにも伺えました。
ミルクバーに乱入し多くの雌猫達を魅了する映画タガーのシーンはセクシーで圧巻でした!
誰からも愛されない孤独な猫!グリザベラ
かつては劇場のスターだったというグリザベラ。これは映画版の設定で舞台版では「おちぶれた娼婦猫」という肩書が付いています。グリザベラは栄光の道から転落し路頭をさまよい猫たちから嫌われている孤独な猫です。
ジェニファー・ハドソン演じるグリザベラの「メモリー」が素晴らしかったことはヴィクトリアの項に書きました通り。
映画グリザベラは終始怯えていていつも涙を流しています。そこがまた哀れでグッとくるところでもあります。
グリザベラ初登場の「インビテーション・オブ・グリザベラ」では泣きながら自身の境遇を悲痛な表情で訴えるグリザベラ。連続して2コーラス目を歌おうかとするところで姉御肌のカッサンドラがグリザベラを制止し歌を被せられてしまいます。もうどこまでも哀れなのです。
最後にはオールドデュトロノミーに選ばれヘビサイド層(遥かなる天上の世界)へと向かうことになったグリザベラ。
舞台版ではオールドデュトロノミーの導きによりタイヤが浮き上がって、グリザベラのみが宇宙(そら)から降りてきた雲に乗り込み天上へと上昇します。
映画版ではミストフェリーズのマジックによりとあるものに乗って天上へと向かいます。これはぜひ映画館で確認してください。