馬車は貴族のステイタスシンボルだった
唐突ですがあなたは馬車に乗ったことがありますか?
私は一度もないです(笑)
このオペラ座の怪人の物語は1881年。自動車よりもまだまだ馬車が主流の時代です。
さらに馬車を自家用で所持することはヨーロッパ貴族や富裕層のステイタスシンボルでもあったのです。
ミュージカル版のオペラ座の怪人の舞台には実際の馬や馬車は出てこないのでピンときませんが、ラウルは子爵様なので馬や馬車を所持していてもおかしくはありません。
何しろオペラ座本体のパトロン。すなわち筆頭スポンサー・ラウル様なわけですから相当なお金持ちです。
きっとエエ馬をウジャウジャ持っていたでしょうね。10頭ぐらいはいたんじゃないんですか?知らんけど。
2004年映画版ではラウルがスマートに馬車を乗りこなし颯爽とオペラ座に到着するシーンが描かれています。
「クリスティーヌ・アイ・ラブ・ユー」「馬車を呼んでちょうだい」の本当の意味は
憧れていたエンジェル・オブ・ミュージック(=ファントム)の本性(殺人鬼)を知ってしまったクリスティーヌは、「決して変わらない愛を誓いあった」ラウルからこう言われます。
「クリスティーヌ、アイ・ラブ・ユー」と。
クリスティーヌの答えは「馬車を呼んで」です。
すなわちラウルの「アイ・ラブ・ユー」は求婚・プロポーズの言葉。
クリスティーヌの「馬車を呼んで」は、
「あなたの馬車に乗せてください」=「あなたの求婚を喜んでお受けします」
と、プロポーズを承諾した意味の言葉になります。
2幕マスカレードではいきなり「婚約したクリスティーヌとラウル」が登場しますが、実はこの短い間にプロポーズが成立していたんですね~!
ファントムが涙し怒り心頭に発した理由
エンジェル像(ペガサス像、オペラ座の像)からふたりの様子をストーキングしていたファントムはメソメソと泣いてしまいます。
手塩にかけて夜な夜な特別レッスンまでして大事に育てあげた天使を、つい最近ポッとあらわれた若造(ラウル)に目の前で取られてしまったのですから。
目の前で見せつけられたプロポーズ大成功……そりゃあ泣きまっせ。
まぁ、オッサンが勝手に見てたんですけどね(笑)
その後はご存知の展開に。沸々と怒りがこみ上げたファントムはブチギレ。
シャンデリアをクリスティーヌ目掛けて落下させた後、半年ほど行方をくらませ、オペラ「ドン・ファン」の構想と制作にとりかかります。