馬車についてしつこく粘着するファントム
2幕終盤怪人の地下室シーンでは、得意の縄攻撃をしかけてラウルの首を吊って身動きを取れなくした後、ファントムはクリスティーヌに向かってこう言い放ちます。
「Order your fine horses now!(さぁ、おまえたちの馬(馬車)を今すぐ呼んでこい!)」
クリスティーヌの「馬車を呼んで」に余程ショックを受けたのでしょう。
ラウルを殺す一歩手前のところまで追い込んで、「ほらほら、おまえたちの馬車を早く呼べよ」と言ってあざ笑うのですから、相当根に持ってたことがわかります。
※劇団四季版では歌に歌詞に乗せる都合から「支度はできた」になっており、馬のくだりは省略されています。
映画版ではクリスティーヌを馬車に乗せて悦に浸るファントム?
2004年映画版には、クリスティーヌが馬車に乗って亡き父が眠る墓地へと向かうシーンがあります。
クリスティーヌが馬車に乗り込む直前に、御者の頭を殴って入れ替わったファントムは、クリスティーヌを馬車に乗せて墓地まで連れて行くのです。
御者になりすましているとはいえクリスティーヌを馬車に乗せて走ったことは、「馬車を呼んで」について根に持っているファントムとしては してやったり。
クリスティーヌを誘拐などはせず素直に墓地まで向かったファントムですが、ここではすっかり悦に浸っていたことでしょう。
「へっへっへ~!ラウルよりも先にクリを馬車に乗せたったぜ~!!!!」的な?
ここまでくるとかなり高度な変態とでも言いましょうか。こじらせ具合が半端ないですね!
※YouTubeは2004年映画版の件のシーン。ファントムは御者になりすましてクリスティーヌを馬車に乗せ墓場に連れていきます。
10年たってもまだまだ粘着するファントム!
オペラ座の怪人の続編とされるスピンオフ作品、オペラ座の怪人事件から10年後を描いた「Love Never Dies(ラヴ・ネヴァー・ダイズ)」ではこんなシーンがあります。
ファントムが手下を使わせ、港に着いたばかりのクリスティーヌ、ラウル、グスタフ(息子)を騙して、3人を馬車に乗せるというシーン。
ここで舞台には実際に馬車が登場するのですが、なんと馬も馬車もクリスタルでできています。
クリスタルでできたピアノ…ってありますよね。そんな感じの馬と馬車です。もうスッケスケです!
プライベートを守るためにワンタッチでスケスケからスモークにもなるという本格仕様。
実際にかなりお金をかけて作った馬車(セット)だと思います。
10年経ってもなおクリスティーヌを馬車に乗せることにこだわるファントムさん…
まぁラウルも一緒に乗るのですけど(笑)
10年経ってもまだ馬車について根に持っているなんて、オペラ座の怪人って人は相当しつこいオッサンですね!
※YouTubeは2010年オリジナルロンドン版Love Never Diesの舞台映像より。クリスタル馬車はこの映像には出てきませんが雰囲気だけでもどうぞ
※現在上演されている演出版ではクリスタル馬車ではなく、「御者のいない自動で動く馬車」に変わっています。