テレビのバラエティ番組で、「世界4大ミュージカル」のことが話題になったようです。
「世界4大ミュージカル」って、何かご存知ですか??
「世界4大ミュージカル」とは?レ・ミゼラブル、オペラ座の怪人、キャッツ、ミス・サイゴン!
その世界4大ミュージカルとは、「レ・ミゼラブル」「オペラ座の怪人」「キャッツ」「ミス・サイゴン」の4作品のことです。
日本ではキャッツ、オペラ座の怪人は劇団四季が断続的にロングラン公演を行っています。そしてレ・ミゼラブルは2年に1回の大型ツアー公演を。ミス・サイゴンは数年に1回の大型ツアー公演を東宝が上演していますので、どの作品もお馴染みな、大変にポピュラーなミュージカルという印象ですね。
ミス・サイゴンを除く3作品は、日本でも30年以上の長期上演が続いており、世界はもちろんのこと、日本でも絶大な人気を誇る代表的なミュージカルです。
さて件の「世界4大ミュージカル」を検索してみると「世界4大ミュージカル」と呼ばれているのは結構前からのようです。
さらに以前は「世界3大ミュージカル」の時代もあったようです。途中からミス・サイゴンが加わり「4大ミュージカル」になったのですね。
私はこの「4大」のラインナップについては概ね納得です。しかしミュージカルといってもたくさん作品がありますし、「世界4大ミュージカルがこのラインナップなんて納得できない!」という方もいらっしゃると思います。実際、人それぞれ好みや趣向は違いますから。
では、一体誰がこれらの作品を「世界4大ミュージカル」と言い始めたのか?ということなのですが、調べた限りでは明確な起源は不明。
海外では、Broadwayworld.comにおいても「あなたのお気に入りのビッグ4ミュージカル(キャッツ、レミゼ、オペラ座、サイゴン)はどれ?」なんてスレッドが立ったりしています。読んでみるとまぁいろんな意見が出ていて面白いのです。
とにかく世界でも「4大ミュージカル」と言われているという事は間違いないようで、ミュージカルファンの間でいつのまにか、自然とそう呼ばれるようになった見方が有力かなと思います。
「世界4大ミュージカル」の共通点1:ウエストエンドミュージカルである!
さて、この4作品(レ・ミゼラブル、オペラ座の怪人、キャッツ、ミス・サイゴン)について共通している点があります。それは何だかわかりますか?
そうです。この4作品は、ロンドン発祥のウエストエンドミュージカルなんですね。
え?オペラ座の怪人やキャッツやレ・ミゼラブルって、ブロードウェイミュージカルなんじゃないの?と、驚いた方もいらっしゃるかもしれません。
この4大ミュージカルと言われている4作品は全てブロードウェイ進出を果たしていますが、もともとはロンドンのミュージカルとなります。ですからウエストエンドミュージカルと呼ぶ方が、より正確です。
日本でこれまで開催した、海外ミュージカルスターが来日して出演したコンサートでは「ブロードウェイミュージカルコンサート」という表記が多かったんですよね。
そういうコンサートでは大概オペラ座やレミゼやミス・サイゴンからナンバーを歌うし、来日スターの多くはウエストエンドの俳優なのに、なんでブロードウェイ表記なの?!と、まぁ疑問に思ったものです。
最近では「ヴォイス・オブ・ウエストエンド」など、ウエストエンドという表記が、ようやく大きく使われ始めたのかなと思います。
劇団四季のソング&ダンス65で、キャッツの「マンゴジェリーとランペルティーザ~小泥棒」というナンバーを披露したのですが「ブロードウェイバージョン」という表記になっていたんですね。
でも私が以前Twitterで「ウエストエンドバージョン」と書いてしまい「ブロードウェイの間違いじゃないんですか?」というツッコミがまぁまぁ届いたのですけど、キャッツのオリジナルはロンドンで、ブロードウェイはウエストエンド準拠で披露しているものですから、本来であれば「ウエストエンドバージョン」の表記が正しい筈です。細かい話ですね(笑)すみません。
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「世界4大ミュージカル」の共通点2:プロデューサーはキャメロン・マッキントッシュ!
そして、この4作品に共通している点がもう一つあります。
そうです!プロデューサーはキャメロン・マッキントッシュなんですね。4大作品全てのプロデュースに携わっています!
日本では、オペラ座の怪人やキャッツはアンドリュー・ロイド=ウェバー製作のミュージカルということで紹介されていますが、実はオリジナルプロダクションでは、キャメロン・マッキントッシュがプロデューサーなのです。
「オペラ座の怪人25周年記念公演inロンドン」のスペシャル・カーテンコールで、アンドリュー・ロイド=ウェバーと並んでキャメロン・マッキントッシュが居たのは、そういう事なんですね。
世界的に大成功しているこれら4大作品の権利を持つキャメロン・マッキントッシュを説明する上で、「世界4大ミュージカル」という呼び方がいつの間にか定着したこともあわせて推察できます。
Instagramは、オペラ座の怪人30周年記念公演でのキャメロン・マッキントッシュ(左)と、アンドリュー・ロイド=ウェバー