1983 Cats opens in Vienna at Theater an Der Wien. Translated into Dutch with an international cast. pic.twitter.com/VCcyvaGTv0
— Cats the Musical (@CatsMusical) 2016年9月21日
みなさんこんにちは！禁断 @J_kindan です。
劇団四季ミュージカル『キャッツ』（大井町キャッツ・シアター 2018年8月11日（土）開幕～上演中）について書きます。
突然ですが皆さんは、キャッツのストーリー（あらすじ）はご存知ですか？
これから初めてキャッツご覧になる方の中には「キャッツのストーリーについて知っておきたい！」と、予習したい方もいらっしゃるかと思います。
また「前にキャッツを見たんだけど、話がいまいちわかりにくかった」と、キャッツを復習したい方もきっといらっしゃることでしょう。
そうですね。ちょっとキャッツのお話はわかりにくい点があります。
何度も見ている方でも、キャッツのあらすじをしっかり説明できる方は少ないのではないでしょうか？
そこで今回は、知られているようで実はあまり知られていない、わかりにくいミュージカル『キャッツ』のストーリーついて網羅し、わかりやすく詳しめに説明・解説しますよ！
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4000文字でよくわかる！劇団四季ミュージカル『キャッツ』のストーリー：詳細でわかりやすいあらすじ完全版！
この先キャッツのストーリーについて完全にネタバレしますので未見の方でキャッツのあらすじをまだ知りたくない方はご注意ください。
4,000文字も読みたくない方は ＞キャッツのストーリーを端的に言えば？（まとめ）にジャンプする
劇団四季キャッツ：1幕ストーリー
都会のゴミ捨て場に集まるちょっとした小さな猫たち。彼らはジェリクル部族の猫「ジェリクルキャッツ」であり、その目的について説明し始める。（ジェリクルソング）
あっけに取られるキャッツ・シアターの観客（人間）たちに気づいたジェルクルの猫たちは、猫の名前の付け方はとても重要であり決して簡単に考えてはいけない。猫には「唯一のその名」があると言い聞かせる。（ネーミング オブ キャッツ～猫の名）
神秘的な白猫ヴィクトリアが「ジェリクル・ムーン」と呼ばれる月あかりの下でバレエを踊り、「ジェリクル舞踏会」の始まりを知らせる。（ジェリクル舞踏会への招待）
ジェリクルの幹部的役割であるマンカストラップは、今夜、ジェリクルの権威あるリーダーで長老猫のオールドデュトロノミーがあらわれ、「ヘビサイド層（遙かなる天上の世界）」に上昇させ新しい人生に生まれ変わるたった一匹のジェルクルを選び、送り込む、「ジェリクルの選択」をすると説明する。
マンカストラップは毎日座りっぱなしの大きなおばさん猫、ジェニエニドッツを紹介し始める。ジェニエニドッツは実はとても活発で、毎晩のようにねずみに子守唄を歌ったり、ごきぶりたちを調教し有益な活動をさせていた。（ジェニエニドッツ～おばさん猫）
音楽が突然変わると気まぐれでひねくれ者の猫、ラム・タム・タガーが破天荒に登場する。雌猫たちはクールなタガーに夢中になり、雄猫たちは自由気ままなタガーに嫉妬するが、タガーは「忠告なんて御無用だ」と、まるで他人事のように意に介さなかった。（ラム・タム・タガー～つっぱり猫）
そこにボロボロの毛皮のコートを身にまとった灰色の老いた雌猫、グリザベラがあらわれ周りを見渡す。グリザベラは数年前に罪を冒しジェリクル部族から追放されていた猫。ジェリクルたちはグリザベラに警戒し、恐れ、嫌悪感をむき出しにして距離をとる。ジェミマとジェリーロラムはグリザベラの不幸な状況と立場を説明する。（グリザベラ～娼婦猫）
グリザベラが去ると曲調が変わり、太った猫のバストファージョーンズが登場する。彼は政治とグルメが大好きなエリート猫であり、ダイエット目的のためにゴルフを嗜むのだが下手の横好きだった。（バストファージョーンズ～大人物？）
突然のマキャヴィティの仕業により大きな破裂音が聞こえ、ジェリクルたちは驚き恐怖で逃げ出す。
誰もいなくなったゴミ捨て場にはマンゴジェリーとランペルティーザがこっそりと顔を出し様子を伺う。彼らは大変ないたずら猫で、人間の家庭から様々なものを盗みだして問題を引き起こしては、その生活を大いに楽しんでいた。（マンゴジェリーとランペルティーザ～小泥棒）
ようやくジェリクルのリーダー、「旧約聖書」を意味する名のオールドデュトロノミーが到着する。彼はとても長く生き続けこれまでに9人の妻を見送った偉大で大きな長老猫であった。ジェリクル達はオールドデュトロノミーの登場を喜び、信仰深く崇める。（デュトロノミー～長老猫）
ジェリクル達はオールドデュトロノミーのために、演劇「ペケスとポーラーの恐ろしい戦い」を上演し始める。マンカストラップは犬の種族間の争いの物語を語り始め、猫たちは犬に扮装して、公園のいたるところで聞こえてくるほど吠え続け戦いを繰り広げる。最後に赤い目が光り口が耳元まで裂けている恐ろしい巨大な喧嘩猫、グレート・ランパスキャットがあらわれ犬たちは恐怖におののき紛争は収束。演劇は終演する。（ランパスキャット～けんか猫）
オールドデュトロノミーは猫たちに、ジェリクルキャッツ（猫）とポリープドッグ（犬）の運命について道徳的に語りかける。長老猫の話を熱心に聞くジェリクル達。
2回目のマキャヴィティの襲撃があるが、ジェリクル達は慎重な動作で踊り始め、ジェリクルの存在について意味深に説明する。（ザ・ソング・オブ・ジェリクルズ）
そして「ジェリクル舞踏会」がついに開演する。（ジェリクル舞踏会）
最高のボルテージで終演した舞踏会に、再びグリザベラがあらわれる。猫たちは嫌悪感を剥き出しにして散り散りに去ってゆく。
オールドデュトロノミーだけが残る中、彼女はひとり踊りを試みるがもう体は思うように動かなかった。グリザベラは「メモリー」を短く歌いジェリクル・ムーンを見上げる。オールドデュトロノミーも月を見上げたが、既にグリザベラの姿はなかった。（メモリー）
劇団四季キャッツ：2幕ストーリー
オールドデュトロノミーのもとにジェリクル達がふたたび集まってくる。長老猫はグリザベラについて言及し「幸せの姿とはなんであるのか」とジェリクルに訴えるが、彼らはグリザベラを信用しておらず、長老の話を完全に理解できなかった。（幸福の姿）
オールドデュトロノミーに促された純真無垢な赤ん坊猫、シラバブが「メモリー」を歌い、皆も続けて同じ歌を歌い始める。
年老い麻痺した足を引きずり弱りきっている「ガス」と呼ばれるアスパラガスは、かつて有名だった俳優猫。ガスを慕い寄り添う優しい雌猫ジェリーロラムは、ガスの全盛期の芝居を覚えていた。（ガス～劇場猫）
ガスの回想で舞台が開演する。悪名高き海賊猫「グロールタイガーの最期」は、ガールフレンドのグリドルボーンとの情熱的な恋愛について語られるが、シャム猫軍に追い詰められ壮絶な死に追いやられる。（グロールタイガー～海賊猫の最期）
ガスが再び佇んでいる。「俺の芝居は語り草だ」と言い残しよろよろと歩いて立ち去ろうとする。ジェリーロラムは静かにガスに駆け寄り、哀愁漂う背中をさすり再びガスを支えた。
一眠りしていたところを起こされたスキンブルシャンクスは、グラスゴー行き夜行列車の非公式の担当猫だ。スキンブルシャンクスは列車にとって不可欠な存在であると考えられており、彼がいないと列車は出発できないほど。スキンブルシャンクスが歌うと猫たちは廃車場から集められた部材をそろえて蒸気機関車を完成させる。噴き上がる蒸気と闇を照らすヘッドライト、大きな車輪が力強く回転し、夜行列車は旅を続ける。
みたび破裂音が鳴り響き、犯罪者の王マキャヴィティが邪悪に笑いながら乱入する。応戦するマンカストラップと雄猫たちを跳ね飛ばし、オールドデュトロノミーを誘拐してしまった。
誘拐犯を追うマンカストラップを見送りつつ、雌猫のディミータとボンバルリーナはマキャヴィティについて、語り継がれ知っていること。犯罪現場では決して見つけられない、絶対的な犯罪王であることを説明する。（マキャヴィティ～犯罪猫）
オールドデュトロノミーに成りすましたマキャヴィティがジェリクル達に近づいてくる。異変に気づいたディミータが正体を暴くとマキャヴィティはジェリクル達に襲いかかった。マンカストラップや雄猫達が深手を負いつつも必死にマキャヴィティと総出で戦う。追い込まれて錯乱したマキャヴィティは自らネオンサインに飛び込み、大爆発を起こしてその場から消えてしまう。（マキャヴィティとの闘い）
マキャヴィティとの闘いの後、ラム・タム・タガーは行方不明の長老猫を見つけだすには、魔術師のミストフェリーズに助けを求めるべきだと示唆する。
タガーは「ミストフェリーズは小さな黒猫でマジックを披露する」と言いミストフェリーズを召喚。タガーが言った通りにミストフェリーズはなめらかなダンスとダイナミックなマジックを披露し、猫たちや観客を魅了し虜にする。
ミストフェリーズは見せ場の最も難しいダンスを披露し、マジックショーが最高潮に達したところで、彼は遂にオールドデュトロノミーをマジックで発見する。ジェリクル達は歓喜し戻ってきたオールドデュトロノミーに甘え、偉大なマジック猫・ミストフェリーズを称えた。（ミストフェリーズ～マジック猫）
マンカストラップは「いよいよ天上に昇るただ一匹の猫を、オールドデュトロノミーが選ぶ」と皆に伝える。我が選ばれるのではと期待し、顔をあげるジェリクル達。
しかし、みたびあらわれたのはグリザベラ。猫達は一転攻撃的になり緊張と恐怖に包まれるゴミ捨て場。
猫達の威嚇に動じずグリザベラは「メモリー」を歌い出すが、ボロボロの外見と漂う悲壮感によりジェリクル達には全く響かず、やはり彼女の訴えは届かなかった。
しかし、崩れ落ちるグリザベラを励ますように、シラバブが入れ替わって「メモリー」を歌い出したことでグリザベラは力が漲り、最後の力を振り絞ってもう一度、渾身の「メモリー」を歌いきる。（メモリー）
グリザベラの訴えが心に響いたジェリクル達は、これまでの非礼を詫びるかのようにグリザベラに寄り添い、手を取り体を擦る。オールドデュトロノミーは「天上に昇るただ一匹の猫」にグリザベラを選んだ。
グリザベラと長老猫を載せたタイヤが浮上。ジェリクルキャッツに見守られながら、グリザベラは単独で「ヘビサイド層（遙かなる天上の世界）」へと旅立っていった。（ヘビサイド層への旅）
最後にオールドデュトロノミーは人間の観客に閉幕の挨拶をし、ジェリクルキャッツ全員の大合唱で終演する。（猫からのご挨拶）
劇団四季ミュージカル『キャッツ』ストーリー：あらすじのまとめと解説
▼▼ キャッツのストーリーを端的にまとめますとこうなります！ ▼▼
ミュージカルキャッツは、「ジェリクルキャッツ」と呼ばれる小さな猫の部族の話で、「ジェリクルの選択」によって1匹の猫が選ばれ、「ヘビサイド層（遙かなる天上の世界）」へ上り、誰が新しい人生を送るのかを決定する夜の物語
と、いうことなんですね～！
ここはぜひ暗記して、キャッツのストーリーについて聞かれた場合は上記のように答えてあげてくださいね。
最後にグリザベラが天上に昇ったのは「生贄にされた」とか、「邪魔だから祀り上げて空に行かせて消した」などと言う方もいますが（笑）、違うんですよ。
「熟慮した結果、最終的にグリザベラが選ばれて新しい人生を送った」ということですね。
ここも憶えて、間違えないようにしたいところです。
そしてキャッツにとって最もポピュラーで重要なナンバーは「メモリー」ですね。
メモリーが重要なナンバーについては当たり前というか異論はないと思いますが、何度も繰り返されていた理由があったんですね。
2幕グリザベラのメモリーは一度失敗して崩れ落ちるのですけど、シラバブちゃんの応援でもう一度立ち直るなんてめっちゃ泣けるじゃないですか！普通でも泣けるナンバーなのにヤバイ！！
それに、今回東京公演（2018キャッツ・シアター）から復活したランパスキャットのナンバーでは、猫たちがオールドデュトロノミーに見てもらうために劇を披露していたんですね～！これは知らなかったです。
突然始まる感があるのですけど劇中劇なら納得できますね。四季版では劇のタイトルは出てきませんが「ペケスとポーラーの恐ろしい戦い」という劇になります。ワン、キャン、ワン、キャンってやつですね。
劇団四季版ではわかりやすいように「ヘビサイド層」は「遙かなる天上の世界」となっていますし、スキンブルシャンクスはグラスゴー行きの列車に乗っている説明等は割愛されていますね。
そしてオールドデュトロノミーはハッキリ何年とは記されてはいないんですけど、相当長く生きている猫のようですね。100歳ぐらい？
もうデュト様の存在自体が神といいましょうか、とても宗教的ですね。新生キャッツの音楽では宗教音楽的なアレンジが随所に盛り込まれていました。
「キャッツ」はT.S.エリオットの詩「キャッツ－ポッサムおじさんの猫とつき合う法」を基に、作曲家のアンドリュー・ロイド＝ウェバーが構成し、音楽をつけて製作したミュージカルです。
元々の原作というものは存在せず、詩と詩をつないで構成してあるので、ストーリー全体でみると少しわかりにくいところがあったんですね。
いかがでしたでしょうか。今回の記事は少しはお役に立ちましたか？
詳細なストーリーに加えてキャッツの設定なども記しましたので「そういうことだったのか！」と気づきがあれば嬉しいなと思います。
ここまで説明して言うのもなんですが、キャッツはストーリーを深く理解しなくても見る人の心に深く刻み込まれ、大きな影響を受けるミュージカルであることは間違いないと思います。
いや本当にキャッツのパワーは凄いのです！
でも今回の記事で、キャッツのストーリーやわかりにくかった点について少しでも理解して頂き、劇団四季ミュージカル『キャッツ』をこれからももっともっと楽しんで頂けたら幸いです。それでは！
キャッツ映画化決定しました：
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劇団四季キャッツ公演情報
東京公演：キャッツ・シアター（大井町） 2018年8月11日（土・祝）開幕～ロングラン上演中
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作曲：アンドリュー・ロイド＝ウェバー
詞：T・S・エリオット
演出：トレバー・ナン
振付：ジリアン・リン
日本語版台本／初演日本版演出：浅利慶太
