ヒノデ 5×21-A5 を実際に使った感想
(メーカーサイトの写真では普通の白に見えていましたが、実際の製品は光沢・ラメのある白で、高級感がありました)
5倍だからこその驚異の視界の明るさを実現!暗い舞台奥もはっきり鮮明に!邪魔にならないコンパクトな手のひらサイズ
実は購入前に「5倍の双眼鏡ってどうなの?」とだいぶ疑っていたのですが、実際に使ってみて「5倍が良い!」ことをひしひしと理解いたしました。目から鱗とはこのことでした。
観劇用に適している双眼鏡は、やはりコンパクトなものが使いやすくて良いのです。このヒノデ 5×21-A5もそうですが、口径20mm台のものがコンパクトな双眼鏡になります。重さも200g台と軽量で疲れず、邪魔になりません。
そして5倍だからこそ、このコンパクトさでも充分すぎる視界の明るさを確保・実現してくれます。
いやもう、めちゃくちゃ明るく見えました!レ・ミゼラブルプロローグの奴隷船のシーンで、一番奥にいるジャベールの表情や何をしているのかが、今回はハッキリくっきり見えたのです!いままでは暗くぼんやりとしか見えなかったので、これは大変に感動いたしました。
もちろん他のシーンでも大活躍でした。「舞台が暗い」「見えにくい」とよく言われるレ・ミゼラブルでも、これほど活躍してくれるとは、期待以上の製品でした。
大袈裟ではなくこれは、驚異の明るさです!明るさを示す数値は17.64となっています。(日の出光学サイトのデータより)
一方で、各メーカーがスタンダートモデルとして販売している8倍や10倍の双眼鏡では、コンパクトサイズにしてしまうことで、構造上この明るさが犠牲になってしまいます。
例えば8倍では、30~40mm口径のモデルで十分な明るさ・見やすさが確保できるとのこと。しかしこれでは双眼鏡が大型化し、重量も相当に重くなってしまいます。大型の双眼鏡は、2~3時間もある舞台を観劇するのには重くなりすぎますし、持ち運びも結構大変になってくると思います。
5倍モデルならではの充分すぎる明るさと、観劇向きなコンパクトさを実現していることこそが、ヒノデ 5×21-A5の最大の特徴であり、この製品の強みと言えると思います。
(※折りたたんだ状態で撮影しています)
重さは、実測値で218g(ストラップ込み)でした。
ヒノデAシリーズの前モデルは266gだったそうですが、最新モデルのヒノデ 5×21-A5は、ボディの造りを工夫することでここまでの軽量化が図られたとのことです。
私がこれまで使っていた軽量モデルのDPC I(170g)と較べると、最初に手にとった感じでは少ししっかりとした重みを感じましたが、実際に使ってみると長時間の観劇でも疲れることはなく、片手でも問題なく持つことができました。もちろん両手でしっかりとホールドすることで、手ブレがほぼない明瞭な視界を保つことができます。
5倍はアップになりすぎない!でも「こんなに見える」ちょうどよい大きさ。そして手ブレはほぼなし
もう一点、5倍モデルを選ぶことで心配していたのは、「それほど大きく見えないんじゃないか?」ということです。特にこれまで8倍を使っていたので、そう思っていました。
しかし、それも杞憂に過ぎませんでした。むしろ「5倍でもこんなに大きく見えるんだ!」と、感動したほどです。
特に、これまではバルジャンとジャベールの距離が離れた時にどちらか一人しか見られなかった「対決」シーンでは、5倍を選んだことで双眼鏡からほぼ眼を離すことなく、しっかりと激しい対決を見ることができました。ちょうどよい大きさで見えましたので、ものすごい迫力でした!
また今回、いつもならエピローグ(最後の手紙)のシーンで、バルジャンとコゼット(ぎりぎりマリウス)が入るぐらいだったのに、今回はその後ろで見守っているファンテーヌまで見えまして、今までにないぐらい嗚咽・号泣してしまいました。あんなの見えちゃったらもうヤバすぎです!あんな女神様みたいな表情しているなんて、知りませんでした。
これまではアップに見えすぎて、もう少し引いて見たいと思っていたシーンは、ほぼ解決しました。本当に良かったのです。
もちろん舞台の端から端までの全体が見えるわけではありませんが、充分に寄っているけれども、それでもちょうどよい塩梅で「視界が広がる」と表現したら良いでしょうか。
そして、先にも説明しましたように5倍ならではの驚異の明るさで見えますので、これまで見えなかったものがたくさん見えまして、もう感動につぐ感動でした!
当たり前ですがキャストはとても細かい演技をしているので、それを見て取れるのは、新たな発見が得られることでもあります。
会場の大きさや着席する座席位置によっても変わってくるとは思いますが、通常ミュージカルを上演する会場では、低倍率と思われていた5倍はまったく低倍率ではなく、むしろ観劇には相当に最適なモデルであると、実際に使用してみて、そう強く思いました。
「5倍でもまぁ見える」のではなく、「5倍だからこそ良く見える」のです。繰り返しますが、今回このことに気付いたことこそが、何よりの収穫でした。
ピント合わせは簡単!左右視差調整もOK!眼鏡をしていてもOK!
ヒノデ 5×21-A5は、ピント調整や左右の視差調整も簡単にできました。
視差調整は一度確定してしまえば、上演中にそこを再調整することは、ほぼなかったです。これまではこの視差の調整を結構再調整しなければならなかったのですが、今回はほぼ触らずにすんだことで、舞台を集中して見ることができました。
ピント調整(通常操作する真ん中のダイヤル)は指一本で、ゆっくりしっかり回り、常に満足なピントに合わせることができました。
もちろん、眼鏡をしたまま見ることも可能です。「スライドアップ式目当て」をまわすことで、出したり締めたり簡単にできるようになっています。(眼鏡着用の場合は締めます)
(※この写真では、左目の「スライドアップ式目当て」を出した状態にしています)
ちょっと嬉しい、使い勝手が細かく配慮されたこだわりのアクセサリー
最後に、地味な部分ですが、使い勝手が配慮されているアクセサリーも良かったので、ご紹介しておきます。
この製品には「ソフトケース」が付属していますが、割としっかりとしたつくりのソフトケースで、双眼鏡をちゃんと守ってくれそうな安心感がありました。
このケースは、ベルトに通してつけることもできるそうです。流石にそれはおじさんしかしないと思いますが(笑)、それでも便利機能ですね。
そして「ストラップ」は、双眼鏡の両端から付けられるようになっています。
片側しか付けられないものは、首からぶら下げたまま移動をすると、双眼鏡が結構暴れるような感じで動いてしまい危ないのですが、この製品のストラップは双眼鏡の両端をぶら下げますのでバランスが良く、首からぶら下げたまま会場内を移動しても双眼鏡が動き回ることなく安全で、ピタッとおなかに張り付いてくれて、安心できました。
感動したのはこちらの「接眼キャップ」です。
写真を見て頂ければわかると思いますが、左右独立ではなく一つにつながっているので、失くしにくいという利点がございます。
このように接眼キャップをストラップに通しておくことで、更にキャップを失くしてしまうリスクは軽減されます。