劇団四季オペラ座の怪人感想 レジェンド高井治ファントムの復活と極上の横浜オペラ座に酔いしれた観劇レポ

みなさんこんにちは!禁断 @J_kindan です。

劇団四季オペラ座の怪人横浜公演(KAAT神奈川芸術劇場<ホール>)2日目を観劇しました。

今回は劇団四季オペラ座の怪人のキャスト別(メイン3役)感想・観劇レポを中心に書いていきます。

 

2017横浜公演からの演出変更点解説についてはこちら:

劇団四季オペラ座の怪人感想 2017横浜公演からの演出変更点について解説

 

劇団四季オペラ座の怪人2017横浜公演開幕2日目感想:レジェント高井治ファントム完全復活!

この日、ファントム役は高井治さんが出演しました。(開幕初日は佐野正幸さん)

高井治さんは、あの25周年記念公演inロンドンのプログラムにおいて「世界の歴代すげえ伝説の怪人」の一人として紹介された日本人唯一のキャスト。

私がTwitterで高井治さんを「オサム」や「オサムタカイ」と呼ぶのはそこからきています。世界のOSAMU TAKAIですね。

私が高井治さんに出会ったのは2005年東京・電通四季劇場[海]のオペラ座の怪人です。

当時はジェラルド・バトラー主演の映画「オペラ座の怪人」を狂ったように映画館で見ていたときでその頃は東京に住んでいたこともあり、もう自然な流れで劇団四季のオペラ座の怪人を見に行きました。

超衝撃でした。こんなに圧倒的な歌声で歌う怪人が日本にいたとは!なんじゃこりゃ!

歌声を聴くだけで震え上がり全身が痺れるのです。歌で全身や精神を支配されてしまったといっても決して言い過ぎではない。

声はめちゃくちゃデカいし豊かすぎる爆低音をグイグイ揺さぶるし急にキレ始めて恐ろしい声で絶叫するし…そしてビビる程の超ロングトーンを涼しい顔でブチ決めるんですぜ……

なにこの人カッコイイ!

もう一発で高井治ファントムの虜になり、私はその日から劇団四季のオペラ座の怪人を狂ったように通いはじめるようになりました。

そうか、オサムのせいで今のワシがあるのか…(笑)

当時は高井治さんがシングルで2ヶ月程連投したあと2週間だけ村俊英さんと交代しまた高井治さんが2ヶ月ほど出演…という固定ローテーションでした。

それでもいつ見に行っても歌声はツヤッツヤの美声でゴリッゴリのハイ・バリトンが海劇場中に響きわたり観客を支配していたのです。毎回期待を裏切らない高井治怪人の歌声は超安定していました。

ところがアクシデントは突然起こりました。無敵の喉だと信じこんでいた高井治さんが突然歌えなくなる程の不調に陥り、キャッツに出演していた村俊英さんが急遽ファントム役の救援に入るという事態が起こったのです。

信じられないかもしれませんが当時ファントム役は高井治さんと村俊英さんのおふたりのみでした。それほど高井治さんは鉄壁だったのです。それがある日突然崩れてしまった。

そんなトラブルもあって長年ラウルを演じオペラ座の怪人は日本初演から出演し続けている佐野正幸さんのファントムデビューが実現しました。そうなんです。皮肉にも怪人の不調で新怪人が誕生することになったのです。

佐野正幸さんの怪人デビューは激・衝撃で毎回の熱い演技に観客は嗚咽号泣とそれはドエライことになりましたが、今回は文字数の都合で割愛します。私は佐野怪人もめっちゃ好きです。

それが2006年の話です。なのでかれこれ10年以上「高井治さんの喉は本調子ではない」という状態が続いていました。

そして2017年。新演出として生まれ変わった劇団四季のオペラ座の怪人の開幕日にレジェンド・オサムタカイが2日目の出演予定キャスト名にあがりTwitterでは騒然となりました。

なぜ騒然になったのかと言えば開幕直前まで高井治さんの姿が見えなくなっていたからです。

オペラ座の怪人稽古場記事の写真が刷新されるにつれ姿が見えなくなった高井治さんを心配する声が上がっていました。「もしかして退団?」「ファントム卒業?」「新役の稽古?」など憶測が飛び交っていました。

そして高井治さんの出演発表に喜ぶ人もいれば逆に心配する人もいました。「喉(歌)は大丈夫なの?」と。そんな私も歓喜しましたが脳裏によぎったのは「今回の喉の調子は?」でした。

でも私は裏読みをしてその日の夜(観劇の前夜というか未明)にこんなことをつぶやきました。

そうです。今回横浜公演からオーケストラの編成を増やしたことやThink of Meの譜面をロンドン版にしたことなど「劇団四季のオペラ座の怪人は今回公演からパワーアップ間違いなし」ということは確信していました。

そこにレジェンドのオサムを投入ってことは多分高井さんは今ものすごく調子が良くて、更に開幕初日と2日目をライブ収録して30周年記念CDを佐野正幸バージョンと高井治バージョンで出すんじゃないの?という予感が働いたのです。(CDについてはただ予感しているだけで発表されたものではありません)

ノートルダムの鐘も飯田達郎版海宝直人版がでますしその流れもあってですね。

だから「高井さん大丈夫なのかな?」とハラハラドキドキ心配して見るのはもうやめにして、初めてオペラ座の怪人を見るような気持ちでリラックスして楽しもうと思いました。きっと高井治さんは復活しているハズだ!!と。

ここまでが前置きです。長かったですね。

そして観劇当日、幕間でつぶやいた第一報はコレでした。

 

はい。ファントム・オブ・ジ・オペラはそこにいました

完全なる高井治怪人の復活を目の当たりにしました。控えめに言って1幕で既にめっちゃ泣きました

あの11年前のバリッバリに歌い上げる高井治ファントムが復活・降臨したのです。

一体どうしたの?休養をしっかりとって喉を休めたの?それとも喉の治療をしたの?歌い方を少し変えた?何この怪人は一体!!

想像していた以上に高井治さんの喉は完全に復調し、あの伝説のオペラ座の怪人として復活していたのです。

いやとにかく第一声の「私のたからものに手を出すやつ!」から震えあがりました。2017横浜公演ではファントムのマイクボリュームMAXが復活しているのでファントムの声がめちゃくちゃ恐ろしいです!

高井ヴォイスに加えてボリュームマックスよ!怖すぎでしょ。怖いしとにかくめっちゃ怒ってるのがわかります。

タイトルトラック(オペラ座の怪人)では絶好調時のプレスコに戻り、ボルテージは最高潮に。

さらにめちゃくちゃカッコいいマントバッサーも披露。これこれ!オサムはマントをいちいちたたまずにバッサーと華麗にひるがえすのよ!

ミュージック・オブ・ザ・ナイトの導入部分(オルガン演奏)ではこれまでと変わらずクリスティーヌを見ないオサム。しかしオルガンも爆音にパワーアップしド迫力です。

歌い方はもう自由自在に。オーケストラはファントムにピッタリと合わせるので無理なくマックスのポテンシャルでゴリゴリと歌い上げる高井ファントム。これがまたいい!

そしてクリスティーヌの胸をしっかり触ることも忘れない。これよ!オサムは遠慮しないでガッツリいくのよ!

ミュージック・オブ・ザ・ナイトの終わり、タップリタップリのロングトーンが終わり一瞬静寂に包まれるKAAT…

もう我慢できないとばかりに割れんばかりの拍手が沸き起こりました!

もうね…ミュージック・オブ・ザ・ナイトでめっちゃ泣いた。ありえないぐらい泣いた。これよ、これが聴きたかったのよ!素晴らしすぎる!!

1幕ラスト天使像からパワフルなロングトーンを披露する高井ファントム。すっげえぇぇぇぇーーーー!!!!

1幕終演。客席からまず聴こえてきたのはため息にも似た声でした。「すげえ…」「…ふるえてもーた」など高井治ファントムの歌声とパワーに圧倒された人がポツリ・ポツリと感想を口にしています。

私はTwitterを起動させるためにロビー(3階)にでました。そしたら友だちが2階から駆け上がってきて「もうヤバイです!凄すぎです!高井さんの歌声があぁぁ!!」と手を震わせて泣いていました。

私も「オサム完全復活!ムリすぎ!」ととにかく興奮して涙を流しながら感想を言い合いました。手を取り合って泣いた。大のオトナが!

そして2幕。2幕はもう少し冷静に見られるかなと思っていましたが全然ムリでした。

墓場新3重唱では少し控えめな歌い方で。しかしこれまでの旋律で確実に歌い上げた高井ファントム。ここはこれからロンドン旋律やもっと熱く怒ったように歌ってくれたらいいなと思いました。

ポイント・オブ・ノー・リターンではこれまでしてこなかったロンドン版の旋律(登場時の半音下げ)も披露する高井ファントム。

なにもかもがめっちゃパワーアップしています。

そしてラストの地下室。これまで見たことのない熱さでクリスティーヌとラウルを攻め立てる高井ファントム。恐ろしすぎる!

オーラスではタップリタップリ、もう超タップリな超絶ロングトーン。

極上の高井ヴォイス・ロングトーンをたっぷり浴びてビリビリ痺れました。メグドヤ顔を含めてゴウゴウ泣きました。

もう地下室シーンからずっと泣いていましたね。いや、ポイント・オブ・ノー・リターンのファントムのパートから涙がツーッと出続けている状態でした。ラストは嗚咽号泣よ!

そしてカーテンコールでは足が震えてしばらく立てませんでした。オサムが登場する度に拍手の音が倍ぐらいに大きくなるんですけど、その圧倒的な喝采にまた泣けた。

この日初めて高井治を見たという人もいたと思います。高井さんが本調子じゃなかった時に見た人も今回は多く観劇していたでしょう。

横浜開幕2日目に登場したオペラ座の怪人の高井治に割れんばかりの拍手と歓声が沸き起こった瞬間、レジェンドの完全復活を確信しました。

まとめるとこんな感じです。

・高井治ファントムの劇場を支配する圧倒的な歌声の復活
・デンジャーポイント4箇所はオールクリア
・エロさはそのまま
・演技はより熱く
・これまで絶叫していたところは全て歌に変えていた

もうホンマに良かったですよ!高井治さんの完全完璧な怪人をまた見ることができたなんて本当に嬉しかったです。

 

美しい天使の歌声を披露した山本紗衣クリスティーヌ

クリスティーヌは山本紗衣さん。とにかく美しい歌声が素晴らしくウットリでした。

今回の横浜公演からクリスティーヌに表情と感情が宿り、さらにソプラノ歌手が歌いやすいロンドン譜面に変わったこと(Think of Me)で山本紗衣さんの魅力も存分に引き出せていたと感じました。

特に墓場にてがめっちゃよかったなぁ!もうバチバチ拍手しました。拍手がしやすくなったのも含めて良かったです。

逆にタイトルトラックのクリプレスコはデビュー時に録ったものなのか、今の紗衣さんの凛としたソプラノにはあっていないので、今の状態で録り直しをしたらいいのになと思いました。

今回はもう泣きすぎて「指輪返却」シーンで紗衣クリがどんな表情をしていたのかよく見えなかったのは残念でした。泣きすぎた私が悪いんです、ハイ。

 

正統派ラウルの神永東吾がよかった

新キャストのラウル役には神永東吾さんでした。正統派なイケメンラウルです。

神永東吾ラウルはチャラさはなく悪目立ちすることもなく、まだまだ控えめな印象。

でも顔に汗をいっぱい滲ませていて一生懸命演じている熱意が伝わりました。甘い歌声もラウルっぽくてよかったです。

新演出になってラウルの見せ場が増えているので、これから少しずつでも熱くなっていったらもっとグッとくるんじゃないかと思いました。

 

まとめ:劇団四季オペラ座の怪人横浜公演は極上オペラ座空間!期間限定公演を絶対に見逃さないようにしよう

今回はこの位にしておきますね。

繰り返しますがレジェンド・高井治さんのファントム完全復活は本当に嬉しかったです。見にいって良かった。

それに今回の会場のKAATは音響がすばらしく良くてファントムっぽい赤を基調にした内装ということもあり、オペラ座の怪人を上演するには最適な劇場だと思いました。

オペラ座の怪人専用劇場にしてもいいぐらいでしょう。もう、極上空間です。

横浜の極上のオペラ座の怪人に酔いしれました。本当にありがとうございました。

 

さて今回は、3階席最前列センターブロックから観劇しました。3階席というのはどの劇場でもなかなか観劇するには厳しいのですが、KAATの3階はこんな感じでした。

・手すりが被って邪魔
・新配置のシャンデリアが邪魔して1幕屋上天使像ファントムが殆ど見えず

という状況でした。でもKAATは音響はめちゃくちゃ良いので3階にも素晴らしい音楽がたっぷり聴こえてきたので特に不満はありませんでした。良かったですよ。

 

いやー…ホンマに泣いたわ。オペラ座の怪人でこんなに嗚咽・号泣したのは4000回記念公演の佐野ファントム以来でしたね。あーヤバすぎでしょ。あんな凄いのやっちゃってエエんですか!

2017年公演から大幅パワーアップした劇団四季のオペラ座の怪人は、俳優が持ち合わせるポテンシャルを最大限に引き出してくれる魅力が満載です。

観劇でこんな充実した気持ちになったのは久々でした。見に行ってめっちゃよかったです。

まだ確定はしていないけど横浜から続く広島・京都は生オケではなくテープになるのかなと思います。新録音版になるでしょうけどね。

録音だとどうとしても俳優のポテンシャルを引き出せないことがある(俳優が伴奏にあわせて歌う)ので、やはりオーケストラによる生演奏のうちに見ておくことをオススメします。

できれば広島や京都でもオーケストラを入れてほしいですけどね!さてどうなるでしょうか。

あなたもきっと何かをビビッ感じると思いますので是非、劇団四季のオペラ座の怪人を観劇してみてくださいね。それでは!

 

劇団四季オペラ座の怪人観劇感想:

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オペラ座の怪人本日の出演者 #オペラ座の怪人

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オペラ座の怪人 高井治
クリスティーヌ・ダーエ 山本紗衣
ラウル・シャニュイ子爵 神永東吾
カルロッタ・ジュディチェルリ 河村彩
メグ・ジリー 小川美緒
マダム・ジリー 早水小夜子
ムッシュー・アンドレ 増田守人
ムッシュー・フィルマン 平良交一
ウバルド・ピアンジ 永井崇多宏
ムッシュー・レイエ 深見正博
ムッシュー・ルフェーブル 中村伝
ジョセフ・ブケー 橋元聖地

アンサンブル
伊藤潤一郎
宇都宮千織
見付祐一
村田慶介
山口泰伸
松永隆志
村田晃一
戸田愛子
大中ゆかり
時枝里好
辻奈々
松ヶ下晴美
吉田瑛美
榊山玲子
小田島礼奈
久田沙季
石野寛子
堀内恵
小澤真琴

オーケストラ指揮 濱本広洋

劇団四季オペラ座の怪人公演情報

劇団四季オペラ座の怪人

京都公演:京都劇場 2017年12月27日開幕~2018年5月20日千穐楽
静岡公演:静岡市民文化会館大ホール 2018年7月21日開幕~9月17日千穐楽
仙台公演:東京エレクトロンホール宮城 2018年10月22日開幕

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作曲:アンドリュー・ロイド=ウェバー
作詞:チャールズ・ハート
演出:ハロルド・プリンス
振付:ジリアン・リン
美術:マリア・ビョルンソン
原作:ガストン・ルルー(小説「オペラ座の怪人」より)
日本語台本/初演日本版演出:浅利慶太
演出スーパーバイザー:北澤裕輔

高井治ファントム吹き替え:映画「オペラ座の怪人」ブルーレイ

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