オペラ座の怪人のラストシーン・指輪のやり取りには色々なパターンがある事はご存知でしたか?
指輪の出どころはそれぞれあってもクリスティーヌがファントムに指輪を渡すのは間違いないのです。
でも実は、その指輪の渡し方や受け取り方には色々なパターンがあって、その違いを楽しむことこそがオペラ座の怪人の醍醐味でもあり、その楽しみを知ってしまうことで、オペラ座の怪人の観劇はますますやめられなくなります!
・・・まぁそれは少し大袈裟ですが、それでも大変に重要なシーンですので、是非そこはしっかりと楽しんで頂きたいです。
ここからページでは、これまでに私が見てきた「クリスティーヌとファントムの指輪のやりとりシーン」の数々をご紹介いたします。(日本と海外のオペラ座の怪人)
クリスティーヌがファントムに指輪を渡す際の表情や態度・演技と、ファントムやクリスティーヌの心情や背景について、詳しめに解説と考察します。

パターン1:アイ・ラブ・ユーの途中で手を引っこ抜く(日本)
(クリスティーヌとラウルを追い出したファントムは孤独に。猿のオルゴールが動き始める)


(クリスティーヌが戻ってくる。ファントムからもらった指輪を手に持ち、返そうとしている)

(ファントムは、クリスティーヌが戻ってきたことに気づき、向き合ってクリスティーヌの手を取る)




最後のオッサン(=僕)の号泣は全く不必要でしたが、こういうことですね。
そうなんです!クリスティーヌは、ファントムが言う最後の言葉「アイ・ラブ・ユー」を全て聞かずに、ファントムに握られている手を引っこ抜いて去ってしまいます。
ファントムは、「アイ・ラブ・ユー」を言い終わらない内に手を抜かれてしまうので、前のめりによろけてしまいます。
いや、こんなん泣くでしょ!むなしすぎでしょ!哀れすぎでしょう!!
クリスティーヌはファントムに「決別」を言い渡したようにも見えます。
決別ほどキツイ言い方ではないとしても、明らかに「あなたとはもう一緒にはいられません」という、クリスティーヌの決意のようなものを感じました。

パターン2:見つめ合う時間が長い(日本)
(クリスティーヌとラウルを追い出したファントムは孤独に。猿のオルゴールが動き始める)


(クリスティーヌが戻ってくる。ファントムからもらった指輪を手に持ち、返そうとしている)

(ファントムは、クリスティーヌが戻ってきたことに気づき、向き合ってクリスティーヌの手を取る)






どっちにしろオッサンは泣くのですが、まぁそれはおいといて。
今のバージョンと確実に違うのは、以前は、ファントムが「クリスティーヌ、アイ・ラブ・ユー」を言い終わった後も、暫く見つめ合っていたんですね!
ええ、ファントムとクリスティーヌがですよ。
二人の無言の状態が続いて、クリスティーヌから「さようなら」のアクションを取ったんですね。
クリスティーヌは明らかに後ろ髪惹かれつつ……チャ~ラ~ラ~ララ~ラ~♪(オーケストラの音)
あ、ちなみに以前の劇団四季版だけですが、二人が見つめ合っている間はオケが止まっていました。
海外版や現在の新しい劇団四季のバージョンでは、「クリスティーヌ、アイ・ラブ・ユー」の後すぐに、チャ~ラ~ラ~ララ~ラ~♪鳴ります。
パターン3:ファントムが勘違いしてクリスティーヌについていこうとする(日本)
(クリスティーヌとラウルを追い出したファントムは孤独に。猿のオルゴールが動き始める。項垂れているファントム)


(クリスティーヌが戻ってくる。ファントムからもらった指輪を手に持ち、返そうとしている)


(ファントムはクリスティーヌの手をギュッと握る)



(クリスティーヌは目を伏せ去ってゆくが、ファントムが手を離そうとせず、クリスティーヌに少しついていってしまう。しかし「クリスティーヌはお別れを言いに来たんだ」とわかり、手を離す。手を離した拍子にファントムはよろけ、再び項垂れる)
