ミュージカル「ラブ・ネバー・ダイ」:主な登場人物の特徴・説明・紹介・豆知識
つづいて「ラブ・ネバー・ダイ」の登場人物(キャラクター)と、その特徴や説明や豆知識などを、ダダッと紹介していきます。
ファントム
ファントムはミュージカル「ラブ・ネバー・ダイ」の主人公。世界的に有名なオペラ歌手 クリスティーヌ・ダーエのかつての恩師(音楽の天使)で、作曲家・音楽家。
コニーアイランドの複合施設(遊園地・劇場・見世物小屋)「ファンタズマ」の社長であり、実業家でもある。めちゃくちゃ金持ち。
「ミスターY(ミスター・ワイ)」とも名乗っており、これはMystery(ミステリー)をもじったもの。
顔の半分はやけどを負ったように醜くただれており、仮面で隠している。これは生まれついてのもので、前作「オペラ座の怪人」でもお馴染みの特徴。
かつては、その顔の醜さを隠すようにオペラ座の地下室に棲み着いていたが、「ファンタズマ」では多くのフリーク(醜い奇形の人々)を雇って見世物にし、ファントムが思い描いた(一風変わった)「真実の美の世界」を追求したコンセプトの施設を自ら設計・建築し、運営している。
「ファンタズマ」の劇場ではオペラは上演しておらず、万人受けする(言い換えるならばやや「俗っぽい」)ショーを展開。ショーのトップダンサーにはメグ・ジリーを置いている。しかしマネージメントはマダム・ジリーに一任しており、基本的に劇場部門の運営はノータッチ(というかほぼ無関心)である。
ファントムの主な仕事としては、クリスティーヌに歌わせるための音楽(歌)を日々追求して創作することであり、オフィスで作曲活動に没頭する日々を過ごしている。
そして「どうすればクリスティーヌが歌ってくれるのか」を日々真剣に模索しており、「オペラ座の怪人事件」後、10年経ってもまだクリスティーヌのことを思い続ける、しつこすぎるストーカー男である。
「ファンタズマ」はファントムが思い描いた理想の世界そのものであり、ファントムを追う敵などはおらず安全な”居場所”であるが、彼にとってクリスティーヌのいないその世界は”地獄”そのものである。
金の力にものを言わして手中に収めようとしたり、他の興行主の名を語って騙したり、誘拐をほのめかして脅迫するなど、基本、やりたい放題。クリスティーヌを手に入れるためならどんな手でも使う。
クリスティーヌから思わぬ告白をされ、ファントムはある決心をするのだが・・・
前作「オペラ座の怪人」に引き続き、ラブネバでは「圧倒的な音楽のパワーでクリスティーヌを惹きつける」部分が更に強調されている。
また「オペラ座の怪人」に較べるとファントムの出演シーンは大変多く、歌も相当増える。ガッツリ歌い上げのソロはもちろん、クリスティーヌとの情熱的なオペラ風デュエットも披露する。
ファントムのナンバー:
・「君の歌をもう一度」”Till I Hear You Sing”:1幕すぐに歌われるビッグ・ソロ・ナンバー(遅刻厳禁)リプライズ/ライトモチーフ多用される
・「月のない夜」”Beneath a Moonless Sky”~「遠いあの日に」”Once Upon Another Time” :クリスティーヌとの情熱的なデュエットナンバー。2曲続けての披露となる
・「美の真実」”The Beauty Underneath”:グスタフとの強力なデュエットナンバー、今回から変拍子を多用したバージョン3へ
ラブネバのファントム役は、海外版ではトップクラスの歌唱力の持ち主である俳優が起用される。日本では元劇団四季の大御所俳優が配役される。
ロンドンオリジナルキャストのラミン・カリムルーと、日本オリジナルキャストの市村正親は「オペラ座の怪人」「ラブ・ネバー・ダイ」両方でファントム役を務めた。
2019年新キャスト石丸幹二は「オペラ座の怪人」ではラウル役で出演しており、念願のファントム役デビューとなる。
2019年のキャスト:
ファントム:市村正親/石丸幹二
クリスティーヌ・ダーエ
クリスティーヌ・ダーエは高名なオペラ歌手で世界的なプリマドンナ。かつてはオペラ座のコーラスガールだったが、”オペラ座の怪人”(=ファントム)の手腕により主役に抜擢され、一躍トップ歌手に。
恋人だったラウル・シャニュイ子爵と結婚。長男グスタフと3人家族である。
ニューヨークの有名な興行主 オスカー・ハマースタインから熱烈な招聘を受けて訪米。新劇場オペラハウスのこけら落とし公演に出演する予定だったが、ファントムの申し出(と脅迫)により、たった1曲だけ、ファントムが作曲した歌をファントムの劇場(ファンタズマ)で歌うことを承諾する。
オペラ出演時のドレスは、孔雀をモチーフとしている。
グスタフには、ファントムのことを「友達のミスターYよ」と紹介する。
「オペラ座の怪人事件」以降、ファントムと秘密の接触をしていたことが本作で明らかにされるが、その後ファントムは死亡したと思い込んでいたため、突然の再会には大変驚き、激怒する。クリスティーヌがファントムに怒った理由とは・・・
クリスティーヌのナンバー:
・「心で見つめて」”Look with Your Heart”:グスタフとの短めのデュエット。その後ライトモチーフ多用される
・「月のない夜」”Beneath a Moonless Sky”~「遠いあの日に」”Once Upon Another Time”:クリスティーヌ登場時のモチーフとしても使われる
・「愛は死なず」”Love Never Dies”:ファントムがクリスティーヌの為に用意した劇中歌。トップクラスのオペラ歌手を強調する強烈なハイトーン歌唱を披露する
ラブネバのクリスティーヌ役は、海外版ではトップクラスのオペラ歌手(あるいは準ずる技量をもつ俳優)が起用される。超絶歌唱テクニックが必須なため「オペラ座の怪人」クリスティーヌ役経験者でもなかなか選ばれることはなく、カルロッタ役からの起用もある。日本ではミュージカル界のトップ俳優(濱田めぐみ)と、トップ・シンガー(平原綾香)が初演に引き続き配役。
濱田めぐみと平原綾香はミュージカル「メリー・ポピンズ」(2018年)タイトルロールでもダブルキャストを演じたが、ふたりのダブルキャストはラブネバのクリスティーヌが先(2014年)である。
2019年のキャスト:
クリスティーヌ:濱田めぐみ/平原綾香