こんにちは。禁断劇場、運営者の「禁断」です。
劇団四季の代表作といえば、やはりあの重厚な音楽と、悲しくも美しいストーリーが魅力の、ミュージカル『オペラ座の怪人』ですよね。
でも、ファントムが屋上のシーンで乗っている像について、場所や時期によって違いがあることを、不思議に思ったことはありませんか?
実は、プロセニアムのアーチから昇降してくる「天使像」と、舞台上に置かれる「ペガサス像」には、深い事情が隠されているんです。
かつて栄にあった、「新名古屋ミュージカル劇場」や「京都劇場」で観劇した方は、ペガサス像の印象が強いかもしれませんね。
2026年の夏に熱田にオープンする、MTG名古屋四季劇場のこけら落とし公演では一体どうなるのか、気になっているあなたに向けて、色々と調べてみました。
この記事を読めば、その違いや背景、そして新劇場での最新の演出についてスッキリ理解できるかなと思います!
記事のポイント
- 第一幕の屋上シーンで登場する2つの像の決定的な役割と演出の差
- 劇場の舞台機構や構造的な制約から生まれたペガサス像の秘密
- 劇場別、天使像orペガサス像の設置実績
- 熱田に誕生する新劇場での天使像復活に関するSNSでの話題
- 最新の観劇システムやチケット価格に関するお役立ち情報
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Instagramの「ペガサス像」はロンドン・ウエストエンド公演のもの(劇団四季版のペガサス像とは形状が異なります)、2021年舞台装置の大幅リニューアル時にオリジナルの「天使像」が撤去され、舞台上のペガサス像に置き換えられました。
劇団四季オペラ座の怪人でペガサス像が登場する背景

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同じ演目でありながら、なぜ劇場によって、重要なシーンのセットが変わってしまうのでしょうか。
ここでは、作品の要となる第一幕の「屋上シーン」の重要性や、舞台裏の構造的な制約など、劇団四季ならではの工夫と苦労について、紐解いていきますよ。
屋上シーンにおける劇的な演出の役割
オペラ座の怪人を観劇したことがある方なら、誰もが心を奪われるのが、第一幕のクライマックス「パリ・オペラ座の屋上」を舞台にしたシーンですよね。
ここで歌われる、クリスティーヌとラウルの甘美なデュエット「オール・アイ・アスク・オブ・ユー(All I Ask of You)」は、物語の中でも屈指の名曲です。
二人がお互いの愛を確かめ合い、光の世界へと足を踏み出そうとするその背後で、怪人(ファントム)は密かに、二人を監視しています。
愛するクリスティーヌが別の男性と結ばれる瞬間を目の当たりにした怪人の、激しい嫉妬と絶望、そして復讐を誓う怒りが爆発する、極めてドラマチックで、重要な転換点です。
この場面で、怪人が身を隠し、そして姿を現す足場となるのが「彫像」です。
この彫像の存在感こそが、ファントムの心情を際立たせる大きな装置となっています。
美しいパリの夜空の下、無機質な彫像の上で蠢く怪人の姿は、観ているこちらの胸まで締め付けられるような、圧倒的な孤独感を与えてくれます。
そして、この重要な彫像こそが、上演される劇場の環境に応じて、オリジナルの「天使像」と、代替の「ペガサス像」の2つのバリエーションに分かれるという、舞台芸術としても非常に特異な現象を引き起こしているんです。
天使像とペガサス像の決定的な違い
では、具体的に「天使像(エンジェル像)」と「ペガサス像」では、どのような違いがあるのでしょうか。
観客に与える印象や物理的な動きについて、分かりやすく表にまとめてみました。
| 比較要素 | 天使像(エンジェル像) | ペガサス像 |
|---|---|---|
| 登場時の動き | プロセニアム(舞台の額縁)上部から垂直に吊り下げられる | 舞台の床面に直接設置、屋上シーン転換時から鎮座している |
| 視覚的・心理的効果 | 空中からの俯瞰。オペラ座に対する絶対的支配と神のような超越性 | 屋上での監視。クリスティーヌに対する生々しい執着と人間臭さ |
| 音楽・演出の調整 | オリジナルの尺(スコア)通り | 同じく、オリジナルの尺通りだが、プロセニアムの怪人は別の俳優(ダミー)が演じる |
| 怪人の衣裳 | 燕尾服にマント着用、つば広の帽子も被っている基本スタイル | 同じく、基本スタイル |
天使像による演出は、怪人が空中に浮遊しているかのようにゆっくりと降りてくるため、「オペラ座の幽霊」としての絶対的な権力や、プレッシャーを視覚的に強く印象付けます。
上空から人間たちの営みを見下ろすような、どこか超越的な存在としての恐ろしさが際立ちますね。
一方、ペガサス像の場合は舞台の床面に直接設置されるため、怪人はクリスティーヌたちと同じ物理的な高さ(平面)に存在することになります。
これが逆に、「愛に苦悩する生身の人間」としての生々しさを強調し、怪人の人間らしい側面を強く引き出しているんです。
どちらの演出も、それぞれ違ったベクトルで怪人の魅力を深掘りしているのが面白いところですよね。
舞台構造の制約と演出分岐の深い関係

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なぜ同じ作品なのに、このように全く異なるモチーフの像が使われることになったのでしょうか。
その答えは、演出の気まぐれではなく、劇場の物理的な限界と、それを乗り越えようとする舞台スタッフの執念にあります。
巨大なセットの重量問題
オリジナルの「天使像」は、成人男性である俳優の体重に加え、強固な金属フレーム、安全確保のハーネス機構、精巧な装飾パーツなどを合わせると、総重量は数百キロにも達すると言われています。
この巨大で重い像を、客席の頭上近くにあたる舞台上部の空中に長時間待機させ、必要なタイミングで昇降させるというのは、劇場側にとって非常に厳しい条件をクリアしなければなりません。
つまり、どんな劇場でも簡単にできる演出ではない、ということですね。
最新鋭の劇団四季専用劇場であれば、最初からこうしたメガ・ミュージカル(『アナと雪の女王』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』など)の上演を前提に作られているため、問題ありません。
しかし、数十年前の古い基準で建てられた既存の劇場や、ツアーでまわる外部の会場などでは、物理的な天井高が足りなかったり、上部から重いものを吊り下げる耐荷重が不足していたりするケースが多々あるんです。
「じゃあ、この劇場ではあのシーンの迫力を落とすしかないのか…」と諦めるのではなく、「作品の芸術的クオリティを絶対に落とさず、別の方法で世界観を届ける!」という情熱の結晶として生み出されたのが、「ペガサス像」という代替装置なんです。
天井から吊るせないなら、床から大掛かりなセットを出してしまおうという発想の転換ですね。
これは本当に素晴らしい企業努力だと思います。
劇団四季版オペラ座の怪人「ペガサス像」の初出は(明確な記録はありませんが)1990年の東京・新橋演舞場の公演で既に存在したと言われています。
天使像の昇降に不可欠な劇場の条件
では、本来の演出である「天使像」をプロセニアムから昇降させるためには、劇場にどんなスペックが必要なのでしょうか。
通常の照明バトンや舞台幕を吊るすのとはわけが違う、数百キロの重量に耐えられる強固な「グリッド(簀の子)」と、それをスムーズに動かすための「高出力の電動ウィンチシステム」が欠かせません。
こうした設備は、建築段階からしっかりと計算して準備されていなければ、後付けするのは非常に困難です。
だからこそ、天使像の演出が行える劇場というのは、舞台芸術にとって非常に恵まれた、ハイスペックな空間であると言えるんです。
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旧名古屋劇場で採用された歴史的背景
この「劇場の制約」という問題が、特定の地域のファンに強い印象を残すことになりました。
それが、2016年に惜しまれつつ閉館した、名古屋市中区栄にあった「新名古屋ミュージカル劇場」(2016~2026年に稼働した名駅南の「名古屋四季劇場(初代)」の、一つ前の劇場)です。
名古屋のファンの記憶
新名古屋ミュージカル劇場は、その構造上、プロセニアム上部に巨大な天使像を昇降させるだけの空間的な余裕や、耐荷重を持ち合わせていませんでした。そのため、この劇場で上演された『オペラ座の怪人』では、屋上シーンの演出として例外なく「ペガサス像」が採用されていたんです。
長きにわたり、中部圏の拠点として愛されたこの劇場で、何度もオペラ座を観劇したファンにとって、「第一幕の終わりにファントムが乗るのはペガサス像」というのは、もはや当たり前の光景として、記憶に刻み込まれました。
だからこそ、後になって他都市での公演映像やレポートを見て、「あれ?天使像から降りてきてる?私の記憶と違う!」と、驚く方が続出したわけですね。
この認知のズレが、「劇団四季オペラ座の怪人 ペガサス像」という検索が、今でも継続的に行われる大きな理由の一つになっています。
自分の記憶が間違っていたわけではなく、劇場ごとの愛すべき歴史の違いだったと分かると、なんだかホッとしますよね。
劇場別、天使像とペガサス像の設置実績
それではここで、ここ20年ほどの「劇場別」、天使像やペガサス像について(そして、会場によって違う「シャンデリア」の状況も含めて)、記録しておきます。
| 劇場 | 天使像やペガサス像の設置状況 |
| 電通四季劇場[海]/ JR東日本四季劇場[秋]/ 大阪四季劇場/ 北海道四季劇場(閉館) など |
・上下に昇降する「完全な」天使像 ・怪人は天使像に乗るためペガサス像はなし |
| キャナルシティ劇場/ 新名古屋ミュージカル劇場(閉館) など |
・天使像固定(上下しない) ・ペガサス像あり |
| 京都劇場 | ・天使像固定(上下しない) ・ペガサス像あり ・シャンデリアは小型版 |
| KAAT神奈川芸術劇場<ホール>/ 上野学園ホール/ 静岡市民文化会館 大ホール/ 東京エレクトロンホール宮城 など |
・天使像の位置に小型シャンデリアが格納される「ハイブリッド式」(天使像なし) ・ペガサス像あり |
こうしてみると、やはり「最新鋭・フルスペックの専用劇場」では、上下に稼働する、「完全な天使像」が使われていることがわかりますね。
この場合は、「ペガサス像」は必然的に、屋上からいなくなります。
天使像の設置はあるけれども、上下に稼働できない劇場(キャナルシティ劇場など)では、舞台上に「ペガサス像」が現れます。
言ってしまえば、(動かないけれども)天使像も見られて、舞台上のペガサス像にファントムが乗る姿も見られるわけですから、「両得」と言えなくもありませんね。
また、この作品を圧倒的に象徴する「シャンデリア」にも工夫が凝らされています。

ブロードウェイ、マジェスティック劇場の『オペラ座の怪人』の舞台(開演前の撮影可能時間帯に撮影) 撮影:禁断劇場
このシャンデリアは客席の真上に上昇したり、怪人が怒って落としたりする、最高のギミックとしても知られています。
京都劇場では、重量の関係でしょうか、通常よりも小型のシャンデリアが使われます。
また、横浜のKAATや、広島・静岡・仙台のいわゆる「新都市公演」では、本来天使像がはまる箇所に小型シャンデリアが設置されている「ハイブリッド式」です。
その場合は、天使像はなく、シャンデリアが舞台上で上下することになります。
上演劇場ごとに、工夫がこらされているんですね。
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劇団四季オペラ座の怪人のペガサス像と最新の動向

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舞台の制約から生まれたペガサス像ですが、決して妥協の産物ではなく、独自の魅力に溢れています。
ここからは、ペガサス像ならではの細かい演出の違いや、熱田に新しく誕生する劇場に関する、ワクワクする最新情報をお届けします。
ペガサス像独自の演出と怪人の人間性
先ほども少し触れましたが、ペガサス像の最大の魅力は、怪人の「人間臭さ」が際立つところにあると私は感じています。
天使像に乗る怪人が、まるで神や悪魔のように上空からすべてを見透かしているのに対し、ペガサス像は舞台の床面、つまりクリスティーヌやラウルと同じ地上に置かれています。
物陰にひっそりと潜み、愛する人が他の男とキスを交わすのを同じ目の高さで目撃してしまう。
その構図は、超越的な「幽霊」ではなく、愛に執着し、嫉妬に狂う「一人の哀れな男」の姿を浮き彫りにします。
像の上での身のこなしも、空中にいる時とは違った緊張感がありますし、シーンの終わりにペガサス像に乗ったまま緞帳が下り、姿が見えなくなるのも、空へ引き上げられていく天使像とはまた違った、生々しい余韻を、客席に残してくれるんですよ。
新劇場での天使像設営が話題の理由
さて、名古屋のファンにとって長年の議論の的であった「次は天使像か、ペガサス像か」という問題に、ついに劇的な答えが示されました。
愛知県名古屋市熱田区に、新たな専用劇場「MTG名古屋四季劇場」が2026年7月6日にオープンとなり、そのこけら落とし公演に『オペラ座の怪人』が選ばれました。
そして、ファンの間で爆発的な話題(バズ)を呼んだのが、劇団四季の公式Xに投稿された写真でした。
そこには、真新しい新劇場の舞台上で、スタッフさんたちが上部機構から「天使像」を吊り上げる様子がハッキリと映っていたんです!
『#オペラ座の怪人』名古屋公演
🎭開幕まであと30日🎭豪華なシャンデリアや舞台を囲む荘厳なプロセニアムアーチなど、舞台設営が着々と進行中。
19世紀のパリ・オペラ座が名古屋に現れるまで、あと少し――。#オペラ座名古屋 7月5日開幕#名古屋四季劇場は熱田へhttps://t.co/86zK1pCAUI pic.twitter.com/Z5ULmMIZZy— 劇団四季 (@shiki_jp) June 5, 2026
「ついに名古屋に天使像がやってくる!」「新劇場はスペックが完全にアップグレードされてる!」と、SNS上は歓喜の声で溢れかえりました。
2016年の新名古屋ミュージカル劇場の閉館から10年。
ペガサス像の思い出を胸に秘めていた地元ファンにとって、この天使像の降臨は、単なる設備の更新以上の、極めてシンボリックで感動的な「事件」だったんです。
新劇場は、客席数を増やしつつも舞台との濃密な一体感を維持し、地域社会との共創を掲げる素晴らしい空間になるそうですから、今からオープンが本当に待ち遠しいですよね。
>劇団四季オペラ座の怪人のチケットを検索する(チケットぴあ)
MTG名古屋四季劇場は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』も稼働可能な「最新鋭の専用劇場」であり、こけら落としの『オペラ座の怪人』もフルスペック(天使像の稼働)が見られることは、設営状況から見てもほぼ間違いありませんが、まだ開幕前のため状況は変わる場合があります。「天使像の稼働」や「ペガサス像の有無」については、実際に劇場でご観劇の上、ご自身の目でご確認くださいね。(私も見に行きます!)
天使像があるのは日本だけ

ニューヨーク、マジェスティック劇場の外扉に描かれた「天使像」 撮影:禁断劇場
オリジナルプロダクションである、ロンドン・ウエストエンドのヒズ・マジェスティーズ劇場で上演されている『オペラ座の怪人』は、世界的なパンデミックの後、2021年に、劇場の改修と舞台装置の大幅リニューアル(と、演出のブラッシュアップや、オーケストラの縮小(フル編成からツアー編成へ))を施しました。
これにより、シャンデリアは25周年記念公演のような形となりさらに大型化、その代わりに象徴的な「天使像」は撤去され、舞台上にあらわれる、逞しくも荒々しい「ペガサス像」に置き換えられました。
天使像を撤去した理由としては、「安全上の問題」とされています。
ウエストエンドの大幅リニューアル後も、同じくオリジナルプロダクションであるブロードウェイ公演では、本来の「オリジナル版」を上演していましたが、2023年4月にクローズとなり、35年の歴史に幕を下ろしました。
これにより、現在、「天使像がある完全なオリジナル版」で上演しているのは、日本の劇団四季のみ、ということになります。
厳密に言えば、オリジナル版で回っているインターナショナル・ツアー公演などもありますが、常設公演としては「日本のみ」です。また、他国のオペラ座の怪人は、「ノン・レプリカ公演」(オリジナル版ではない、独自の演出や舞台装置)が、現在主流となっています。
最新の北米ツアー版(上のYouTube)も「ペガサス像」(1:03頃)になり、スタンダードになりつつある今、上下に昇降する「天使像」にファントムが乗り込む姿を見られるのは、とても「希少なこと」とも言えるのです。
劇団四季オペラ座の怪人のペガサス像が残した感動

禁断劇場 イメージイラスト
ここまで、舞台セットの裏側や歴史的背景についてお話ししてきました。
プロセニアムから静かに舞い降りる「天使像」は、怪人の絶対的な力と悲劇性を象徴する素晴らしい演出です。
しかし一方で、劇場の構造的制約という逆境から生まれた「劇団四季オペラ座の怪人のペガサス像」もまた、怪人の生々しい感情と地上での葛藤を浮き彫りにした、決して妥協ではない「もう一つの正統」の演出であると私は確信しています。
ペガサス像が見せてくれた、あの人間臭くも哀しいファントムの姿は、それを目撃した多くの観客の心の中で、色褪せることなく語り継がれていくことでしょう。
2026年7月、熱田に誕生する真新しい「MTG名古屋四季劇場」で、怪人はついに、本来の居場所である高み(天使像)から、クリスティーヌたちの愛を見下ろすことになります。
過去のペガサス像の記憶を持つ方も、初めて観劇する方も、劇団四季が情熱をもって進化させ続ける舞台芸術の素晴らしさを、ぜひ劇場で体感してみてくださいね!
>劇団四季オペラ座の怪人のチケットを検索する(チケットぴあ)
(出典:ミュージカル『オペラ座の怪人』作品紹介・Phantom of the Opera Est. 1986 Official Website)


