意外に勘違いされている劇団四季の「一音落とす者は去れ」の本来の意味とは

「一音落とす者は去れ!」

こんな言葉を聞いたことはありますか?「いちおんおとすものはされ!」です。

この「一音落とす者は去れ」を知っている方はきっと劇団四季のファンか、もしくは劇団四季を取材したテレビ番組等で目にしたことがある方だと思います。

以前は劇団四季のテレビ取材においてしょっちゅうでてきたフレーズでしたから、割と有名な言葉(教訓・標語)なのかもしれません。

慣れだれ崩れ=去れ」というのもありそちらも知られていると思います。なんだかどちらも厳しそうにも感じますね。

今回は劇団四季の「一音落とす者は去れ」について、よく勘違いをされていることと、本来の意味を説明いたします!
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2020年1月5日更新:

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劇団四季の「一音落とす者は去れ」を勘違いしている者は去れ!とは言わないから安心してね

廊下に貼ってある奇妙なお習字の意味

次に目に止まったのは、廊下に貼ってある奇妙なお習字。そこには…

『一音落とす者は、去れ!』

とあります。
これは、「舞台では、作家の書いた言葉を完全に客席に伝える事が一番大事。
その中で、音を一個でも落とすような不注意をした人は劇団から辞めてもらう」という事なのだとか…、実に厳しい!

2007年8月19日(過去の放送内容):がっちりマンデー!!|TBSテレビ
2007年8月19日(過去の放送内容):がっちりマンデー!!|TBSテレビ

劇団四季

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「奇妙なお習字」にジワジワきますが、これが答えですね。

劇団四季では「台本に書かれた言葉を明晰に客席に届けることが守れず、一音でも落とすような者は去りなさい」という意味で、この「一音落とす者は去れ」という教訓を掲げています。

劇団四季はもともとはミュージカルの劇団ではなくストレートプレイ専門の演劇集団でした。ですのでこれは台詞(言葉)のことを言っているというのは明確です。

 

「一音落とす者は去れ」とセットな「母音法」

劇団四季を取材したテレビ番組などで「一音落とす者は去れ」と必ずセットで紹介される「母音法」についても、テレビ等で見たことがある人は多いと思います。

むしろ最近ではこちらの「母音法」のみの説明されることが多くなったかもしれません。

「…あいうえおいうえおあうえおあいえおあいうおあいうえ…」

延々とノンブレスで発声したり、

「あしたはあめだけど」⇒「あいああ、あえあえお」

「おれにいいかんがえがある!」⇒「おえい、いいあんあえあ、あう!」

みたいな台詞を母音(ぼいん)だけで言ってみる方法もよく披露されますね。

母音を訓練することで言葉が明瞭に客席に届くということです。

そしてこの母音法(ぼいんほう)を訓練して言葉を一音も落とさないようにしているということなんですね。

 

音程が外れたことは「一音落とす者は去れ」に該当しない

「一音落とす者は去れ」は音楽(歌、音程)のことを指摘しているのではありません。

「一音落とす者は去れ」とはあくまでも言葉・台詞のことですから、たとえ調子が優れずに歌の音程を外してしまった俳優がいたとしても「一音落とす者は去れ」というのはちょっと意味が違ってきます。

でも、音程は外さないほうがいいに決まってるんですけどね!歌唱力のことについてはまた別の指導やお稽古、あるいは自主練習などが入ると思います。

ここは「一音落とす者は去れ」の本来の意味と混同されがちで、勘違いされやすい点です。

 

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