突然ですが、皆さんに質問です。
ミュージカルや舞台を見に行ったときに、劇場内客席に観劇マナーが悪い人がいて、困ったり迷惑を被ったことはありませんか?
ではなぜ、観劇マナーの悪い人が来場してしまうのでしょうか。それは大きくわけて、以下のようなふたつの理由が考えられます。
1:観劇マナーをよく知らずに劇場にきてしまった
2:観劇マナー?なんやそれ?
上記ふたつは似ているようで大きな違いがあります。
ひとつめは、劇場界隈の作法を全く知らずに訪れてしまった方です。映画館などは行ったことがあっても、生の舞台を見るのは初めてという方などがあげられます。
ふたつ目は、マナー違反承知の確信犯、あるいはマナーという概念を理解していない自分本位な人です。恐ろしい話ですが、舞台観劇慣れしている人でもこういう人は一定数います。このタイプはかなりタチの悪い部類です。
劇場によって異なりますが、開演前のアナウンスや係員による禁止事項や注意事項の呼びかけは、殆どの劇場で行われています。また、ホームページなどで観劇マナーについて掲載していたり、会場によっては観劇マナーについてのチラシを配布しているところもあります。
ですが、観劇慣れしている方以外には、劇場観劇マナーについて、あまり周知されていないのが事実です。
そこで今回は、いわゆる劇場初心者の方(確信犯ではない方の方)が、はじめて劇場でミュージカルや舞台を見る前に、ぜひ読んでおいてほしい「観劇マナー」のいわゆるマニュアルなようなものを書き、まとめましたので、ご案内いたします。
生の舞台を観劇するのは初めてだけれども、映画館で映画を見るのと同じようなものだろうと思いこんでいると、観劇当日に知らず知らずのうちにマナー違反をしてしまい、恥をかいてしまうかもしれません。
例えあなたが観劇慣れをしている方でも、今度はじめて生の舞台を観劇する家族や友達をアテンドする場合は、劇場観劇マナーについて、一体どうやって説明しようか。悩んでいる方がいるかもしれません。
そうです。同行者が観劇マナーを守らなければ、あなたも恥をかいてしまいます。
今回は、あなたが初めての劇場舞台観劇で恥をかかないように、最低限5つの観劇マナーを守っておけばまず大丈夫!という、超初歩的な観劇マナーを提起し、説明いたします。
また今度、初心者の方をアテンドする予定のある観劇に慣れている方は、ぜひお連れの方にもこの記事を読んでもらうようにしてください。
恥をかかない為に知っておきたい5つの劇場マナー
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スマホ電源オフ
写真撮影NG
物音おしゃべりNG
前のめり観劇NG
客席内飲食NG
観劇が向いていない人とは
スマホの電源の切り方がわからない場合には
1:スマホは必ず電源オフに
なにはなくとも、劇場内ではスマートフォン・携帯電話の電源はオフです!電源オンのままはマナー違反・NGとなります!
1-1:スマホや携帯の電源をオフにしなければいけない理由
スマートフォンや携帯電話の電源をオフにしなければいけない理由は、音・光・電波を遮断するためです。着信音はもちろんのこと、マナーモードのバイブ音ですら、上演中は絶対に出してはいけません。
また、操作による画面点灯も絶対にNGです。かなりまぶしいです。暗い劇場内では遠くからでもかなり目立ちますから、やめましょう。
そして、スマホや携帯電話が発する電波により、ワイヤレスマイク等の機材不良の原因にもなります。
スマートフォンや携帯電話はもちろんのこと、音や光のでる可能性のあるゲーム機や電子機器は、かならず電源を切って、カバンの中にしまっておきましょう。
1-2:バイブ音はかなり響く!マナーモードは「マナー違反モード」です
「上演中はマナーモードにしているから大丈夫!」という考えの方は、大勢いらっしゃると思います。名称こそ「マナーモード」ですが、劇場内では、マナーモードは「マナー違反モード」になります。
はい、コレです。不快な音ですね。こんな音が鳴り響いたら、マナー違反だとわかって頂けると思います。このヴンヴンと不快なバイブ音が連続で鳴ってしまうと、劇場内ではかなり響くので、周囲は大迷惑なのです。
「マナーモード」って最初に名付けた人は罪だと思う。あれどうかえてもマナー違反でしょ。スマホの中に入っている小型モーターがブンブン高速回転して鈍くて不快な音と振動を連続で放つバイブレーションモードなんだよ。マナーモードにしてるからマナー守ってるって意識にさせているのはあの呼称のせい
— 禁断先生 (@J_kindan) 2017年5月2日
1-3:画面の光はかなり迷惑!どんなことがあっても画面を光らせない
これもよくあるのですが、上演中にスマホで時間を確認したりメールやLINEをチェックしたりする人、いますね!これね・・・あなたが思っている以上に、めちゃくちゃ光っています!どれだけ遠くても、点けてる人の場所がわかるぐらいに目立っています!
舞台を楽しんでいるのに、客席からスマホ画面の光がパッと点くと、集中力が途切れ、いやでもそちらの光の方を意識してしまいます。これはいくら訓練したって無理です。「あーまたスマホの画面点いた。電源切っといてよ!」と、思ってしまいます。
あなたは単に時間やメールやLINEを確認したかっただけかもしれませんが、大・大迷惑なんですよ。舞台の1幕は1時間ぐらいです。長くても1時間半程。そのぐらい我慢しましょう。我慢ができない人は、恥ずかしいですよ。
スマホや携帯電話は電源を切って、カバンの中にしまっておきましょう!
2:劇場内での写真撮影はNG!(ただし例外あり)
劇場客席内でのスマホやカメラによる写真撮影はNGです。
上演中はもちろんのこと、開演前・幕間・終演後の客席からの舞台を撮影することはNGです。こっそり撮っている人。後ろから見たらかなりバレバレですのでやめておきましょう。恥ずかしいし、それ盗撮ですよ。
ただし例外があります。「ビリー・エリオット」や「雨に唄えば」など、一部の公演においては、カーテンコールにおいては、撮影はOKとなっていました。(今後変更になる可能性がありますので、必ず事前に確認をお願い致します)
※撮影OKの作品の場合は、事前に公式ホームページや公式SNS等、また会場でもその旨のお知らせがあります。
ですが、これはあくまでも例外。著作権もありますから、客席から舞台の撮影は写真もビデオもNGです。
客席にはカメラを持ちこまないこと。そして、スマホを弄るフリをして、コッソリ撮影しないようにしましょう。
例外の参考(カーテンコール撮影OKだったミュージカル「雨に唄えば」の舞台写真):
3:音をたてない、喋らない
どんな小さな物音、たとえひそひそ話でも、客席ではよく聞こえます。上演中の物音・話し声は絶対NGです。
3-1:ビニールの音・飴の包み紙の音は本当に迷惑!
迷惑な物音のワーストワンに入るんじゃないかというぐらい、観劇時に毎回聞こえてくるのは、ビニール袋の音、飴の包み紙の音などの、ビニール系の音です。
特にビニール音は毎公演必ずやどこかしらから聞こえてきます。しかもめっちゃエエシーンで、バリバリ鳴ります。
もしビニール袋を持ってきてしまったら、開演前にロビーのゴミ箱に捨てましょう。カバンの中に入れておくと、ふとした拍子に音がガサガサバリバリ鳴ってしまいますから、捨てておいたほうが賢明ですし、無難です。
飴の包み紙の音は、なぜか静かなシーンや良いシーンで聞こえてきます。あめちゃんは休憩中になめましょう。
また、膝の上にプログラムを入れた袋をのせている人がいますが、あれも少し動いただけで袋の音が出てしまいます。上演中はプログラムはカバンの中にいれるか、座席の下にしまっておくようにしましょう。
他にはペットボトルのフタを開け閉めする音・飲み物を飲む時の喉の音・フリスクを出す時のカチャカチャ音・ガムをクチャる音などの飲食系の音も迷惑です。後述しますが、上演中の飲食は殆どの劇場では禁止です。
たまに鈴の音が鳴っていることがあります。カギかなにかにつけているのでしょうか。チリンチリン。
とにかく音のなるもの・音がでやすいものはカバンの中にしまって、上演中は決してさわらないようにしましょう。
3-2:咳にも気をつけよう
劇場内は乾燥しやすいので、喉がイガイガして咳が出てしまうことがあります。
咳が出てしまうのは仕方ないのですが、上演中にあまりに咳が続いてしまうと、周囲には迷惑になります。
開演前にのど飴で喉をケアする、水分を補給しておくなどし、もし咳がでても消音できるように大きめのハンカチなどを常に膝の上においておくようにして、備えましょう。
ハンカチがあれば感動して涙がゴボゴボでたときにも便利です!
3-3:絶対やっちゃダメ!上演中の話し声は大・大迷惑!
そして、よくある迷惑行為は上演中の話し声です。
上演中のおしゃべりはお子様に多いと思われがちですが、いえいえとんでもない。
私が知る限りではおしゃべりをやるのはオトナが多いですねぇ。これ、めちゃくちゃ恥ずかしいからやめたほうがいいですよ。
まず、どんなに小声でもよく聞こえます。特に横方向や後ろからの声は会話の内容までクッキリハッキリまる聞こえです。耳は横向きで顔の後ろについていますから。
周囲に気を使っているのかヒソヒソ話す人もいますが、そのヒソヒソ声がよく通ってしまい、結構聞こえるのです。残念です。
今思ったことをすぐに口に出して話したり共感したい気持ちはわかりますが、無関係の方々は、あなた達の会話は絶対に聞きたくありません。ましてや上演中に話し声なんて大迷惑です。
これは本当にめちゃくちゃ恥ずかしい行為ですから、上演が終わるまではグッと我慢して、おくちをチャックしましょう。
ひとりごとを言うクセがある方も気をつけましょう。
4:「前のめり」になるなど周囲の視界をジャマする行為は絶対NG
座席で前のめりになる(ノメラー)・不必要に動く・ボリューミーな髪型・帽子など、周囲の視界を妨げるような観劇は絶対NGです。
2階席や3階席などで、座席で前のめりになって舞台を見る人がいます。これを目の前でやられると後方に座っている人は舞台が全く見えなくなります。大・大迷惑の大ヒンシュクです。
上演中は、座席の背もたれに背中をピッタリとつけて観劇する必要があります。
参考:
気になったので劇場で検証。
わらび劇場は前かがみしても舞台に被るほどではないが、変な髪型とか派手な帽子とかだと気になるな。ミュージカル『ジパング青春記 –慶長遣欧使節団出帆–』13:45開演♫ #akita #わらび座 #前のめり #観劇マナー pic.twitter.com/D2pGlj6v9y
— わらび座大道具 宮本さんの青春記 (@mimo0214) 2017年5月8日
参考:レ・ミゼラブルコゼット役生田絵梨花さんが前のめりについてイラストで説明したブログ記事)
後ろだけではありません。隣でやられますと、視界にノメラーの嬉しそうな顔が嫌でも入ってきます。ホンマにやめて。
あまりいないと思いますが、足を前の座席の背もたれに乗せたり、キックするのも、もちろんアウトですよ。蹴られたらビックリしますし、あれ思っている以上に痛いんですよ。
また、不必要にゴソゴソと動くのも迷惑です。動きや振動が周囲に伝わってしまいます。
そしてお団子頭などのボリューミーな髪型は、前に座られると殺意がわくと言われるほど、特に重大なマナー違反だと認識されていますので、劇場ではやめておきましょう。
帽子もです。中には事情があって帽子をかぶっている人もいるかもしれませんが、可能であれば、上演中は帽子を脱ぐようにしましょう。
これらに共通するのは「周囲の視界を妨げて迷惑をかけてはいけない」ということです。
「観客皆前のめりで見たら案外皆見やすいのかも?」前にふと思ったことがあったのですが間違いだった。某国オペラ座の怪人で3階席前方で前のめりになった人がいてその後ろがどんどん続いてのめり連鎖し終いには完全立ち見状態で怒号が飛び悲惨だった。幕間係員超怒って2幕皆正しく着席平和になりました
— 禁断先生(禁断市長) (@J_kindan) July 2, 2019
5:客席内での飲食は禁止
劇場客席内での飲食はNGです。
映画館のコンセッションと混同してしまいがちですが、コンビニやロビー売店で買ったコーヒーや軽食を客席内に持ち込んで飲食するのは、殆どの劇場では禁止となっています。
(例外:帝国劇場、宝塚大劇場、東京宝塚劇場などは、上演中でなければ客席での飲食は可能)
客席内飲食禁止ということを劇場に訪れてから初めて知ったという方が多い印象です。
劇場によっては例外もありますがここは恥をかかないためにも、飲食はロビーでするようにしましょうね。
2階売店に売っていますSuicaでも支払えますよ。 pic.twitter.com/Z3xqkQkDWV
— 禁断先生(禁断市長) (@J_kindan) May 27, 2019
こんな人は観劇には向いていない
・スマホや携帯電話の電源は何があっても絶対切らない病(スマホの電源切ったら死ぬ病)の方
・誰かから電話がかかってくるのを常に待っている方
・上演中もスマホをバリバリ操作したい「スマホ依存症」の方
・記念だから舞台やセットを写真に撮りたい方
・ビニール袋が大好きで常にワシャワシャしていないと気がすまない方
・袋入りのあめちゃんが大好きで常に袋からビリビリ音を立ててあめを出してなめていないと気がすまない方
・おしゃべりが大好きだから上演中でも構わずにずっと連れと話し続けたい方
・座席の背もたれに背中をつけるのが大嫌いで、常に背中をまるめて前のめりでガッツリ視界を確保して観劇したい方
・とにかく人に迷惑をかけるのが大好きだし、もし誰かに注意でもされようものなら「ワシ客やぞ」と逆ギレしたい方
上記の例に1つでも当てはまるような方は、大変残念ですが舞台観劇には不向きです。大変恐れ入りますが、大迷惑なので劇場には絶対にこないでください。
ついでに言うと、上記のような方はたとえ映画館でも超迷惑なお客様でございますので、ご自宅でテレビやVOD等をご覧になることを推奨させていただきます。
スマホや携帯電話の電源の切り方がわからない場合は
なかには悪気はなく、スマートフォンや携帯電話の電源をオフにする方法がわからない方もいらっしゃるかと思います。
その場合は開演前に、周囲のお客さんに電源の切り方を聞いてみましょう。きっと快く電源を切ってくださると思います。
あるいは、劇場スタッフに電源の切り方を教えてもらうのも良いでしょう。
まとめ:観劇マナーはあるけれどもあまり萎縮せずにリラックスして観劇を楽しんでください!
これだけは守りたい観劇マナーまとめ
・スマホ携帯は電源オフ
・写真撮影NG
・物音おしゃべりNG
・前のめりNG
・飲食NG
いくら劇場観劇初心者でも、知らなかったでは済まされないこともあります。
何よりも観劇マナーを知らなかったことで恥をかくのはあなたですし、もしあなたをアテンドしてくれた方がいれば、その方も恥をかいてしまいます。
今回の5つの観劇マナーは最低限知っておいた方がいい基本中の基本マナーです。この機会に是非よく読んで理解し、知っておいてくださいね。
ただ、観劇マナーは細かいことまで言い出すとキリがありません。観劇マナーを気にしすぎた為に、逆に萎縮してしまって舞台観劇を楽しめなかったなんてことになれば、それこそ本末転倒です。
ですので、観劇初心者の方は、今回の記事で提起した最低限5つのマナーだけは意識するようにして、あとはぜひリラックスをして、ミュージカルや舞台をめいっぱい楽しんでいただければよろしいかと思います。
いくら上演中は無駄に動いちゃいけない・静かにしなければいけないからって、お通夜みたいな客席は逆にしんどいです。
例えば、めちゃくちゃ盛り上がったナンバー終わりに「ホー!」とか「フー!」とか言って盛り上げるのは、私はぜんぜんアリだと思います。カーテンコールは特に!
あと、結構服装を気にする方もいらっしゃいますが、周囲を不快にしなければ何を着たっていいと思います。個人的にはTシャツジーパンスニーカーでも全然OKだと思います。普段着でじゅうぶんですよ。もちろんお洒落をして観劇されることは全然OKです。楽しみましょう。
ただニオイを気にする方がいるので、香水をつけすぎたり食品を客席に持ち込むことは、控えたほうがいいですね。
そんなマナーがあるなんて知らなかった!という人は、今回の記事を参考に、最低限の劇場マナーについて覚えておいてくださいね。
もし、今後はじめて舞台を見るという方を劇場に連れていく際にも、ぜひ、この記事を読んでもらってくださいね。
この記事を便利よく活用してもらえたら幸いです!そして、私もあらためて観劇マナーについて、気をつけていこうと思います。