ミュージカル「レ・ミゼラブル」:主な登場人物の特徴・説明・紹介・豆知識
つづいて「レ・ミゼラブル」の登場人物(キャラクター)と、その特徴や説明や豆知識などを、ダダッと紹介します!
ジャン・バルジャン
ジャン・バルジャンはミュージカル「レ・ミゼラブル」の主人公。
パン1個盗んだ罪で懲役19年も?!と驚きポイントであるが、実は何度か脱獄しては失敗しており、その度に懲役が延長になっている。でも本人は「パン1個の罪で19年」と常に恨み節である。
怪力だけが自慢の粗野な囚人であったが、ミリエル司教と出会ったことにより改心し、困っている人々を助ける慈悲深い聖者になる。
でも仮釈放通知書を破り捨てて出頭しなかったので、結局脱獄犯のままに。よってバルジャンであることを隠して生きている。
胸には囚人時代につけられた「GAL」の焼印がある。これはギャルではなくガレー船を漕ぐ囚人、という意味。
司教からもらった銀の食器などで錬金して工場を経営し、めちゃくちゃ金持ち。でも一番高価な銀の燭台だけは大事に持っている。人望が厚く、市長にもなっている。
バルジャンが経営する工場で働いていたファンテーヌを守ってやれなかったことにギルティーを感じ、ファンテーヌの娘コゼットを実の娘のように育て、愛を注ぐ。
バルジャンを追うジャベールには、何度も「後で出頭する」と言うが、結局いつまでも逃げ続ける。ジャベールに捕まりそうになったらその度に怪力でやっつけるか、怒号の応酬の末、言い勝つ。
基本、不死身。瀕死のマリウスを担ぎ上げ、下水道を進み、コゼットの元へ届ける。(だが自分が助けたとは言わない)
コゼットには、過去のこと(かつて囚人で今も逃亡中であることや、母のファンテーヌのことなど)は一切話していない。コゼットに聞かれる都度「やがて話すときがくるだろう」と、言葉を濁す。
ジャン・バルジャンのソロ・ナンバー:
・バルジャンの独白(What Have I Done?(Valjean’s Soliloquy)):プロローグで圧巻のロングトーン炸裂
・裁き(Who Am I?(The Trial)):ねぇみてジャベール俺が2465さーん!のヤツ
・彼を帰して(Bring Him Home):皆が寝静まってからの熱唱、レミゼきっての超代表ナンバー
日本版の囚人番号は韻の関係で、24601ではなく24653号になる。(トゥーフォーシックスオーワン⇒にーよんろくごーさん)
世界各国で上演されるレ・ミゼラブルは、ジャン・バルジャンとオペラ座の怪人(ファントム)を同じ俳優が両役を演じるケースが多い。日本ではかつての山口祐一郎と今井清隆、そして韓国版オペラ座の怪人でファントムを演じた2015・2017キャストのヤン・ジュンモが該当する。
愛称はバルジャン、バル、ジャン、市長など。
2024~2025年公演のキャスト
ジャン・バルジャン:吉原光夫/佐藤隆紀/飯田洋輔
ジャベール
ジャベールは、バルジャンの宿敵である。
法に忠誠を誓い、冷徹で蛇のように執念深い男。脱獄犯であるバルジャンをジリジリと追い詰める。職業は警部(私服警官)。
実は牢獄で生まれたという過去を持ち、自らの運命を恨んで生きてきたが、反骨精神で努力し看守から警部へと出世する。
法に忠実であるがゆえ、違法に逃げ回るバルジャンを絶対に許せない。売春婦のファンテーヌも犯罪集団のテナルディエ一味も、国歌反逆のアンジョルラス率いるABCの友軍団も含めて、悪には制裁を加えたい信念を持っている。
性格からくるのか、動作は結構カクカクしている。
バルジャンとは幾度となく会敵する。さまざまな武器を駆使してバルジャンを捕らえようとするものの、いつもあと一歩で負け、逃げられてしまう。
とあることがキッカケで信念が崩壊し、自らを追い込んでしまい・・・
ジャベールのソロ・ナンバー:
・星よ(Stars):劇中1・2を争うビッグナンバー
・ジャベールの自殺(Javert’s Suicide):バルジャンの「独白」と同じ旋律をジャベール視点で歌う
ジャベールはそのキャラ特性から、ミュージカル『ノートルダムの鐘』フロローや『オペラ座の怪人』のファントムと並べられることがある。
バルジャンとは対照的なライバルであることから、ジャベールのファンはとても多い。
愛称はジャベ、警部。
2024~2025年公演のキャスト
ジャベール:伊礼彼方/小野田龍之介/石井一彰
バルジャン同様に、オペラ座の怪人ファントム役を演じた俳優が、レ・ミゼラブルではジャベールを演じることがよくある。
ファンテーヌ
美しいファンテーヌは、世間知らずのシングルマザーでバルジャンの工場の工場婦。
娘コゼットをテナルディエに預けてしまったことから搾取され続け、さらに工場をクビになったことから生活は困窮を極め、病気にかかり、転落人生を進む。工場で助けてくれなかったバルジャンを恨んでいる。
温厚な性格であるが上に悪人にやたらとつけこまれ、レミゼ随一のトラブルメーカーでもある。
形見のペンダントを売り、髪を売り食い繋ぐが、やがて娼婦として働くことに。
しかし客とトラブルを起こし、ジャベールに逮捕される寸前でバルジャンに救われるが・・・
愛称は、ファンテ。
ファンテーヌのソロ・ナンバー:
・夢やぶれて(I Dreamed a Dream):世界的にも有名なソロ・ナンバーは1幕すぐに披露
2024~2025年公演のキャスト
ファンテーヌ:昆 夏美/生田絵梨花/木下晴香
原作や映画版では歯を売るシーンもあるが、あまりに残酷すぎて見ていられない程である。ミュージカル版では歯は売らない。