気づいた点
1:あのフレーズは?
以前記事に書いた、この作品を象徴する2つのメッセージ・フレーズがありました。
劇団四季版では、こうなりました。
カジモド「What makes a monster and what makes a man?」(何が人を怪物に変え、何が人を人たらしめるのか?)
⇒ どこに違いがあるのだろう?
フロロー「The wicked shall not go unpunished, the heart of the wicked is of little worth」(邪悪な者は必ず裁かれる、邪悪な者の心に価値などない)
⇒ 悪人は罰を受ける、邪悪な心は災い
2:サンクチュアリ、キリエ・エレイソンなどはそのまま
フロローが繰り返し言う「サンクチュアリ(聖域)」は、そのまま「ここはサンクチュアリ、聖域だ」と、英語から日本語と続けて言うようになっていました。
フィナーレでは、エスメラルダを救出するカジモドも「サンクチュアリ!聖域だ!」となります。
また1幕ラスト「エスメラルダ」では、フロローの命令に背いたフィーバスに対し、フロローは「キリエ・エレイソン、主よ憐れみを」と、やはり後のフレーズを日本語にして歌うようになっています。
3:ギャグキャラ?聖アフロディージアス、ルイ11世も設定そのままで登場
カジモドがフロローからお話をしてもらうことを楽しみにしている、「エジプトの逃避」のヒーロー、聖アフロディージアスは、そのままの設定で登場します。
首を切られ処刑された聖人なので、首を手に持った状態で登場する聖アフロディージアス。
その首は頭の上に戻りますが、時々「コキコキ」と奇妙な音がなり、首が突然落ちてめっちゃ面白いんですけど、日本ではほぼ無名の聖人の為、意味がわからず客席は無反応でした。笑
「慎重なる王」と呼ばれたルイ11世も、そのままの設定で登場します。
フロローに声をかけられた時に「ヒャッ!」という感じでビックリするのがかわいらしいです。臆病な面があるんですね。
でも、ルイ11世のこともあまり知られてないので、誰も笑わず。
私はこの2人に関しては、劇団四季版ではもっと簡単に「神様」「王様」として、ギャグ(首落ち、臆病など)は一切なしでいくのかな?と思っていましたが、オリジナルプロダクション(北米プレミア版)と同じ設定でした。
面白いなと思ったら笑ってもいいかなと思います。私は知っていたので「そのままでいくんや!」と、妙にツボでクスクス笑いました。
4:エスメラルダとクロパンは初対面設定に
初演ベルリン版では、エスメラルダはクロパンが送り込んだ秘蔵っ子…という設定でした。
北米プレミア版では、特にクロパンとエスメラルダの関係は語られず、最初から仲間という認識でした。
劇団四季版ではシーンが追加され、舞台裏でクロパンとエスメラルダが会話をするシーンがあります。
その際にクロパンは「噂通りだな」などと言うので、ふたりは初対面であることがわかります。